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神鋼商事は08年来高値圏、18年3月期通期も増額の可能性
- 2017/9/7 07:53
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期第1四半期が大幅増収増益となり、第2四半期累計予想を増額修正している。通期予想も増額の可能性が高いだろう。株価は08年来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■18年3月期1Q大幅増収増益で2Q累計を増額修正、通期も増額の可能性
今期(18年3月期)第1四半期(4~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比33.5%増収、営業利益が2.5倍増益、経常利益が95.1%増益、そして純利益が28倍増益だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属を中心に主力製品の取扱数量が増加し、価格上昇効果も寄与した。海外現地法人も米国、中国、東南アジアの各地域が堅調だった。営業外では為替差損益が改善し、持分法投資利益が増加した。特別損失では投資有価証券評価損が一巡した。
7月31日に第2四半期累計(4~9月)の連結業績予想を増額修正した。売上高は300億円増額して前年同期比25.7%増の4500億円、営業利益は12億円増額して76.7%増の33億円、経常利益は13億円増額して69.5%増の37億円、純利益は11億円増額して64.3%増の25億円とした。
通期連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。
主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、円安、市況回復、機械・情報における一時的コストアップ要因の一巡などで2桁増収増益予想としている。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.9%、営業利益37.2%、経常利益41.0%、純利益49.1%と高水準である。通期予想も増額の可能性が高いだろう。
■株価は08年来高値圏、好業績評価して上値試す
株価は8月31日に3855円まで上伸した。08年来の高値圏だ。
9月6日の終値3660円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS417円85銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約324億円である。
週足チャートで見ると2500円近辺でのモミ合いから上放れた。13週移動平均線がサポートラインとなり、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)