山下医科器械は下値固め完了感、18年5月期大幅増益予想

 山下医科器械<3022>(東1)は九州を地盤とする医療機器専門商社である。18年5月期は設備案件の需要回復などで大幅増益予想である。株価は下値固め完了感を強めている。低PBRも見直し材料だ。なお17年12月1日付で純粋持株会社ヤマシタヘルスケアホールディングスに移行予定である。

■九州を地盤とする医療機器専門商社、17年12月純粋持株会社へ移行予定

 九州を地盤とする医療機器専門商社である。医療機器の販売・メンテナンスおよび医療材料・消耗品などの販売を主力として、子会社イーピーメディックは整形インプラントを製造販売している。中期成長に向けて九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大を最重点戦略としている。17年6月医療機器販売のトムス(広島県)を子会社化した。

 収益面では医療機関の設備投資関連で、第2四半期(9月~11月)および第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については安定的な配当の継続を基本方針とし、配当水準として連結配当性向30%を基準としている。

 17年12月1日付(予定)で純粋持株会社ヤマシタヘルスケアホールディングスに移行する。当社株式は上場廃止(17年11月28日予定)となり、純粋持株会社ヤマシタヘルスケアホールディングスが新規上場(17年12月1日予定)する。

■18年5月期大幅増益予想で収益改善基調

 今期(18年5月期)連結業績予想(7月11日公表)は売上高が前期(17年5月期)比9.4%増の574億30百万円、営業利益が同28.7%増の2億40百万円、経常利益が同19.1%増の3億07百万円、純利益が同7.9倍の1億53百万円としている。配当予想は同9円増配の年間19円(期末一括)としている。予想配当性向は31.0%となる。

 大型設備案件の需要回復、一般消耗品分野や低侵襲治療分野の堅調推移、17年6月子会社化したトムスの新規連結などで増収・大幅増益予想である。純利益は減損損失および投資有価証券評価損の一巡も寄与する。設備需要回復して収益改善基調が期待される。

■株価は下値固め完了感、低PBRも見直し

 株価は安値圏1700円近辺でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。

 9月8日の終値1723円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の今期連結EPS61円24銭で算出)は28~29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2334円02銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約44億円である。

 週足チャートで見ると1700円近辺が下値支持線となり、13週移動平均線突破の動きを強めている。0.7倍近辺の低PBRも見直し材料だ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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