【株式評論家の視点】CRI・ミドルウェアは25日線抜き出直り態勢、第2Q増額に続き通期増額に期待

株式評論家の視点

CRI・ミドルウェア(3698・東マ・売買単位100株)は、25日線を抜いて買い転換。2015年9月期の第2四半期の業績が大幅に上方修正され、今期通期業績に期待が高まっていることから8200円前後は注目される。

同社はスマートフォンアプリの開発を支援する映像・音声に特化したミドルウェア製品の開発・販売を主に行なっています。利益率の高いゲーム分野の売上げが伸びたうえに、外注費の圧縮を図ったことにより、今期の第2四半期は期初予想を上回る業績を確保する見通し。

第2四半期は期初予想で売上高5億9700万円、営業利益5700万円、経常利益4700万円、純利益3000万円を見込んでいた。それを売上高6億円(期初予想比0.5%増)、営業利益1億1000万円(同93.0%増)、経常利益1億500万円(同2.2倍)、純利益6600万円(同2.2倍)と、とくに利益を大幅に上方修正。予想一株当り利益は47円46銭(期初予想21円98銭)にアップする。

 今期通期は今のところ、期初予想の売上高12億8600万円(前期比12.3%増)、営業利益2億5900万円(同20.4%増)、経常利益2億4800万円(同11.8%増)、当期純利益1億5600万円(同10.2%増)を変更していません。予想一株当たり利益は112円86銭(前期109円90銭)。

変更しない理由について会社側は遊戯分野の受注環境が厳しくなると想定しており、加えて開発・営業関係の人材採用による人件費のアップがあるためという。しかし、スマートフォン向けを中心にしたゲーム関係の売上拡大が見込めるため、こうしたマイナス要因を吸収できるという見方もあります。このため、結果的には今期通期の業績も上方修正に向う可能性がありそうだ。

2014年11月に東証マザーズに新規上場した時に将来性が高く評価されて初値は公開価格2400円に対して5.6倍となる1万3500円で寄り付いた。その後、12月2日に2万320円まで買い進まれたが、この時点のPERは174.8倍。さすがに、この水準までくると買われ過ぎという見方が広がり、2015年2月9日7130円まで売り叩かれた。

高値に対して約65%の下落率となり、これで値幅調整は完了したとみられる。こうした局面で、今期第2四半期業績について大幅な上方修正を発表しました。これを好感して株価は一時9000円台を回復し現在は8100円台での推移となっている。

チャート的には7130円で底値は確認した格好で、下値不安は乏しいといえる。そして、前述したように今期通期の業績見通しが、上方修正されるとするならば、反騰相場の色彩を一気に強めてくるものと予想されます。それに期待して、時価近辺は拾うところだろう。(志木克己)

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