【業績でみる株価】LIFULLは調整一巡して戻り歩調、社名・ブランド変更費用で減益予想だが増収基調に変化なし

 LIFULL<2120>(東1)は、日本最大級の掲載件数を誇る不動産・住宅情報総合サイト「LIFULL HOME’S」運営など、不動産情報サービス事業を主力としている。M&Aを活用して周辺の生活関連領域への事業展開を加速し、国内民泊事業にも参入した。17年9月期(決算期変更で6ヶ月決算)は社名・ブランド変更に伴う広告宣伝費の戦略的投下の影響で大幅減益予想だが、増収基調に変化はない。株価は調整一巡して戻り歩調だ。

■17年9月期(6ヶ月決算)は社名・ブランド変更費用などで減益予想

 日本最大級の掲載件数を誇る不動産・住宅情報総合サイト「LIFULL HOME’S」運営が主力のHOME’S関連事業、14年買収したスペインのTrovit社が展開する世界最大級のアグリケーションサイト「Trovit」運営などの海外事業、その他事業を展開している。

 中期経営計画で「世界一のライフデータベース&ソリューションカンパニー」を目指し、不動産情報サービス事業を主力に、M&Aを活用して周辺の生活関連領域への事業展開を加速している。17年6月には楽天<4755>と共同で楽天LIFULL STAYを設立して国内民泊事業に参入した。

 17年9月期(決算期変更で6ヶ月決算)連結業績予想(IFRS)は、売上収益が159億73百万円、営業利益が1億85百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が1億38百万円としている。EBITDA(償却前営業利益)は6億62百万円としている。配当は配当性向20%を基準に実施する予定としている。

 第1四半期(4~6月)は前年同期間との比較で売上収益が13.8%増収、営業利益が82.5%減益、税引前利益が82.7%減益、親会社の所有者に帰属する純利益が97.0%減益だった。EBITDAは67.1%減益だった。

 売上収益はHOME’S関連事業が牽引し、第1四半期として5期連続で過去最高を更新したが、17年4月1日の社名・ブランド変更に伴って大規模な広告施策を実施したため、広告宣伝費が大幅に増加し、さらに移転に係る一時費用の発生、従業員数の増加に伴う人件費の増加なども影響して大幅減益だった。ただし期初計画水準としている。

 通期も社名・ブランド変更に伴う広告宣伝費の戦略的投下の影響で実質大幅減益予想だが、増収基調に変化はない。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は7月の年初来高値996円から反落したが、8月15日の直近安値777円から切り返している。調整一巡して戻り歩調だ。9月11日の終値は893円、時価総額は約1061億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(MM)

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