ミロク情報サービスは上場来高値更新の展開、18年3月期予想は増額の可能性

 ミロク情報サービス<9928>(東1)は財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野も強化している。ストック型収益構造で18年3月期予想は増額の可能性が高いだろう。株価は上場来高値更新の展開だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力

 会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも?がるトータルソリューションを強みとしている。

 17年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が62%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入など継続的な役務の対価)が34%、その他が4%だった。

 収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。長期目標として21年3月期売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を目指している。

 16年3月には中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」を構築した。振込、請求書発行・入金消込、給与明細配信、アカウントアグリケーション、資金繰り管理など新たなFinTech分野サービスを「bizsky」上で展開する方針だ。そして16年9月クラウドサービス「楽(らく)たす振込」を開始、17年1月「楽たす給与振込」を開始した。

 17年5月には新たなFinTech分野のサービス構想に向けて、韓国BrilliantTS社および韓国NFC社と資本業務提携した。また17年6月にはソラミツが開発したブロックチェーン基盤「Hyperledger Iroha」のユースケース・パートナーとして参画した。

■18年3月期増収増益予想、そして増額の可能性

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比4.1%増の273億円、営業利益が7.2%増の44億円、経常利益が9.7%増の44億円、純利益が9.3%増の28億60百万円としている。システム導入契約売上高およびサービス収入とも順調に拡大して増収増益予想である。

 第1四半期(4~6月)の連結業績は売上高が前年同期比7.7%増収、営業利益が24.5%増益、経常利益が21.6%経常増益、純利益が8.3%増益だった。システム導入契約売上高が6.3%増収、サービス収入が6.9%増収と好調に推移して2桁営業増益だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.6%、営業利益29.6%、経常利益29.1%、純利益25.9%と高水準である。ストック型収益構造であることも考慮すれば通期予想は増額の可能性が高いだろう。

■株価は上場来高値更新の展開

 8月24日発表の自己株式取得は、9月5日時点で取得株式総数30万株となって終了した。

 株価は上場来高値更新の展開となって9月15日には2720円まで上伸した。好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 9月15日の終値2720円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS91円69銭で算出)は29~30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS474円72銭で算出)は5.7倍近辺である。時価総額は約947億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形となった。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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