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第一実業は調整一巡感、18年3月期減益予想だが保守的
- 2017/9/21 06:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
第一実業<8059>(東1)は産業機械を主力とする機械の総合商社で、海外展開や新規分野を強化している。18年3月期は大口案件減少などで減益予想だが保守的な印象も強い。株価は調整一巡感を強めている。なお17年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、5株を1株に併合する。
■産業機械を主力とする機械の総合商社
各種産業機械を主力とする機械の総合商社である。17年3月期のセグメント別売上高構成比はプラント・エネルギー事業31%、産業機械事業29%、エレクトロニクス事業31%、ファーマ事業6%、航空事業2%、その他0%で、海外売上比率は49%だった。
新規ビジネスとして、バイナリー発電装置、植物工場システム、メガソーラー、車載向け二次電池製造装置分野、有機ELディスプレイ製造装置分野などを強化している。
中期経営計画「DASH2018」では、基本方針を「グローバルに事業軸体制を進め、一層の業績拡大を実現する」「経営体質の向上を図り、強力なガバナンス体制を構築する」として、経営目標数値には最終年度19年3月期の売上高1330億円、営業利益50億円、経常利益53億円、純利益33億円を掲げている。
収益面では案件ごとの採算性の影響を受けることに加えて、大型案件の売上計上時期によって四半期収益が変動しやすい。そして設備投資関連のため第2四半期(7月~9月)および第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
■18年3月期減益予想だが保守的
今期(18年3月期)連結業績予想(5月11日公表)は売上高が前期(17年3月期)比14.8%増の1770億円、営業利益が19.6%減の47億円、経常利益が18.9%減の50億円、純利益が7.2%減の31億円としている。受注高の計画は12.9%増の1540億円である。
配当予想は17年10月1日付で5株を1株に併合することに伴って6月27日に修正し、第2四半期末9円、期末45円とした。株式併合を考慮して換算すると前期は年間95円、今期は年間90円となり、実質的に5円減配となる。予想配当性向は30.9%となる。
第1四半期(4~6月)連結業績は、売上高が前年同期比14.8%減収、営業利益が31.9%減益、経常利益が32.4%減益、純利益が61.1%減益だった。プラント・エネルギー事業などで大口案件が減少して大幅減収減益だった。なお受注高は15.0%増、受注残高は6.2%減となった。通期も減益予想だが、設備投資需要が高水準であり、保守的な印象が強い。
■株価は調整一巡感
なお17年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、5株を1株に併合する。
株価は9月6日の年初来安値580円から切り返して調整一巡感を強めている。9月20日には630円まで上伸した。
9月20日の終値623円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS58円23銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS726円61銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約345億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。18年3月期減益予想の織り込みが完了して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)