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星光PMCは調整一巡感、17年12月期減益予想だが18年12月期は収益改善期待
- 2017/9/22 06:24
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期減益予想だが利益を増額している。そして18年12月期は収益改善が期待される。株価は調整一巡感を強めている。
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。また17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。
次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
新中期経営計画「CS VISION-2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
■17年12月期減益予想だが18年12月期は収益改善期待
今期(17年12月期)の連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益が13.1%減の20億円、経常利益が5.8%減の21億80百万円、純利益が3.0%減の17億40百万円、配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
第2四半期累計(1~6月)の連結業績は売上高が前年同期比1.9%減収、営業利益が8.3%減益、経常利益が13.0%増益、純利益が10.1%増益だった。国内外の販売苦戦で売上数量が減少して売上高が計画を下回り、人件費などの増加で営業減益だった。ただし化成品事業が堅調に推移し、製品販売構成の高付加価値化進展、台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上、投資有価証券売却益計上などで、期初計画に対して各利益は上振れて着地した。
今期(17年12月期)は減益予想だが、来期(18年12月期)は収益改善が期待される。
■株価は調整一巡感
株価は戻り高値圏1300円台から反落して水準を切り下げたが、安値圏1100円台で調整一巡感を強めている。
9月21日の終値1200円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円38銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約369億円である。
週足チャートで見ると1100円~1400円近辺でボックス展開の形だ。調整一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)