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クリーク・アンド・リバー社は調整一巡して7月高値試す、18年2月期2桁増益予想で増額余地
- 2017/9/26 07:58
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)はクリエイティブ分野を中心にエージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、事業領域拡大戦略を加速している。9月25日にはTSUTAYA渋谷店にてVR機器「IDEAKENS K2+」レンタルを開始した。18年2月期2桁増益予想で、さらに増額余地がありそうだ。株価は調整一巡して7月高値を試す展開が期待される。なお10月5日に第2四半期累計の決算発表を予定している。
■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開
クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、ライツマネジメント(著作権管理)事業を展開している。17年2月期セグメント別売上高構成比は、日本クリエイティブ分野64%、韓国クリエイティブ分野12%、医療分野12%、その他11%だった。
新規事業分野として電子書籍取次事業、作家・オンラインクリエイター・建築・ファッションクリエイター・シェフ・プロフェッサーなどのエージェンシー事業、さらにAI(人工知能)関連やVR(仮想現実)関連へ展開し、M&Aも積極活用して事業領域拡大戦略を加速している。
収益面では医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調だ。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。なお韓国クリエイティブ分野のうちTVマーケット関連事業は新設会社に承継し、18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社とした。連結売上高が剥落するが利益への影響は小さい。
■18年2月期2桁増益・連続増配予想で増額余地
今期(18年2月期)連結業績予想(4月6日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比0.3%減の265億円、営業利益が11.8%増の18億円、経常利益が18.4%増の17億50百万円、純利益が12.0%増の10億円としている。配当予想は1円増配の年間10円(期末一括)で、予想配当性向は21.0%となる。
日本クリエイティブ分野が好調に推移し、韓国のTVマーケット関連事業を持分法適用関連会社化した影響を除くと、実質的に13%増収見込みである。利益面では積極的な人材投資などで販管費が増加するが、内制化進展による売上総利益率改善や新規事業分野の収益化も寄与して2桁増益予想である。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高29.0%、営業利益42.3%、経常利益43.7%、純利益45.9%である。医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重することなどを考慮しても、通期予想に増額余地がありそうだ。戦略的投資の効果や新規事業領域の収益化で好業績が期待される。
■株価は調整一巡して7月高値試す
株価は00年来高値となる7月1538円から一旦反落したが、9月5日の直近安値1150円から切り返して9月25日には1345円まで上伸した。調整が一巡したようだ。
9月25日の終値1336円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円51銭で算出)は28~29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS265円51銭で算出)は5.0倍近辺である。時価総額は約302億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返して13週移動平均線を回復した。調整一巡して7月高値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)