【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコは水準切り上げの動き、低PBRや収益改善基調を評価して出直り

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)の株価は、14年12月の直近安値545円から反発し、足元は終値で560円台まで上伸して水準切り上げの動きを強めています。0.2倍近辺の低PBRや収益改善基調を評価して出直りの動きが本格化しそうです。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいます。20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりが追い風となるでしょう。

 今期(15年11月期)の業績(非連結)見通し(1月16日公表)は、売上高が前期比2.4%増の30億円、営業利益が同2.8倍の70百万円、経常利益が同2.0倍の73百万円、純利益が同4.9倍の40百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としています。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益の向上に努める方針としています。アウトドア事業では衣料・アクセサリーが堅調に推移し、防虫機能を備えた「スコーロン」製品の好調も期待されます。フィッシング事業では天候不順の影響一巡が期待されます。

 なお2月2日には、ルアー関連の一部製品について3月1日出荷分から価格改定(値上げ)を実施すると発表しています。円安の進行や原材料価格の上昇に対応したもので、収益改善に繋がることが期待されます。

 株価の動きを見ると、14年12月の直近安値545円から反発し、やや小動きですが、足元は終値で560円台まで上伸して水準切り上げの動きを強めています。下値固めが完了したようです。

 2月20日の終値565円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円19銭で算出)は40倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.1%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺です。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートして下値を切り上げ、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破しました。強基調に転換した可能性があり、0.2倍近辺の低PBRや収益改善基調を評価して出直りの動きが本格化しそうです。

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