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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】協立情報通信は昨年来高値圏、中期成長力を評価して上値追い
- 2015/2/23 07:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信<3670>(JQS)の株価は、2000円近辺のフシを突破して水準切り上げの動きが続き、2月4日には昨年来高値となる2350円まで上伸しました。2月期末一括で2%台の配当利回り、株主優待制度、さらに中期成長力を評価して上値追いの展開でしょう。13年6月以来の3000円台も視野に入ります。
法人向けソリューション事業(情報通信システムソリューション、会計情報ソリューション、情報活用教育ソリューション、情報活用レンタルソリューション)、およびモバイル事業(法人向けモバイルソリューション、ドコモショップ6店舗運営)を展開しています。
企業のICT(情報通信技術)化の実現に向けて、NEC<6701>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、NTTドコモ<9437>、サイボウズ<4776>、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信インフラ機器の販売だけでなく、システム構築から導入・保守・運用・教育までをソリューションとして提供しています。
ソリューション事業では、情報通信システムソリューションでNECの構内交換機(PBX)、会計情報ソリューションでオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースとして、中堅・中小企業向けを中心に情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用支援(プラクティカルユース)の3分野を統合した経営情報ソリューションを、ワンストップサービスで提供していることが強みです。また常設デモスペースの体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」において製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴です。
モバイル事業では、NTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開しています。
今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しについては1月28日に増額修正を発表しました。直近の売上動向が好調であることに加えて、入居先ビル建て替えによるドコモショップ八丁堀店および情報創造コミュニティーの移転に伴う影響(営業損失として固定資産償却費用38百万円、特別利益として移転補償金1億22百万円程度、特別損失として移転費用など57百万円)を織り込みました。
修正後の通期業績(非連結)見通しは、前回予想(4月11日公表)に対して売上高を1億73百万円増額して前期比8.2%増の57億75百万円、営業利益を8百万円増額して同19.6%増の2億56百万円、経常利益を8百万円増額して同19.1%増の2億56百万円、純利益を58百万円増額して同53.1%増の1億96百万円としました。
配当予想については1月13日に増額修正し、創業50周年記念配当5円を含めて年間55円(期末一括)としています。前期との比較では5円増配となります。
来期(16年2月期)についても収益拡大が期待されます。パートナーとの共創展開(共同営業やセミナー・イベントの共同開催)の効果で情報創造コミュニティーへの来場社数は増加基調であり、既存顧客深耕や新規顧客獲得が進展するでしょう。また15年夏予定の「Windows Server 2003」サポート終了に伴う移行案件なども好調に推移する見込みです。
企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティ」をキーワードとして、高水準に推移することが予想されるため、法人向けソリューション提案力向上によって付加価値(サービス)提供へのシフトを加速する方針です。モバイル事業では、顧客囲い込みに向けたドコモマイショップへの加入促進などを強化する方針であり、モバイル事業の営業損益も改善基調が予想されます。
ストック型収益モデルを強化して利益率を一段と向上させる方針であり、中期経営計画では目標値として17年2月期売上高76億20百万円、営業利益7億04百万円を掲げています。中期的に収益拡大基調で、一段の高収益化も期待されます。
なお1月28日に、新規上場(13年2月)時の調達資金の使途に関して一部変更を発表しました。人材確保に向けた福利厚生施設(社員寮)取得費用に充当するとしていた項目について、社員寮への入居を希望する者が減少していることもあり、社員寮の取得を中止して、その資金を今後の業績向上に資する茅場町事業所(移転後のドコモショップ茅場町店および情報創造コミュニティー)の設備投資に充当します。
株主優待制度については、毎年2月末時点で500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、そして1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈します。
株価の動きを見ると、2000円近辺のフシ突破後は自律調整を挟みながら水準切り上げの動きが続いています。2月4日には昨年来高値となる2350円まで上伸しました。その後は利益確定売りで一旦反落しましたが、好業績を評価する流れに変化はないでしょう。
2月20日の終値2240円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS164円34銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間55円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS751円39銭で算出)は3.0倍近辺です。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形です。2月期末一括で2%台の配当利回り、株主優待制度、さらに中期成長力を評価して上値追いの展開でしょう。13年6月以来の3000円台も視野に入ります。