- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 朝日ラバーは年初来高値更新の展開、18年3月期減益予想だが増額の可能性
朝日ラバーは年初来高値更新の展開、18年3月期減益予想だが増額の可能性
- 2017/10/2 08:02
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
朝日ラバー<5162>(JQ)はシリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装LED照明光源カラーキャップ、医療・衛生用ゴム製品、RFIDタグ用ゴム製品などを展開している。18年3月期減益予想だが増額の可能性が高いだろう。株価は年初来高値更新の展開だ。上値を試す展開が期待される。
■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力
シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連の工業用ゴム製品、卓球ラケット用ラバー、医療・衛生用ゴム製品、機能製品のRFIDタグ用ゴム製品などを展開している。17年3月期のセグメント別売上構成比は工業用ゴム事業82%、医療・衛生用ゴム事業19%だった。
自動車内装照明関連は、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」が主力製品である。車載用「ASA COLOR LED」は高級車向けに加えて、小型車や軽自動車向けにも採用が拡大している。
第12次三カ年中期経営計画「V-2計画」では経営目標値に20年3月期売上高70~80億円、営業利益率8%以上を掲げている。
■18年3月期減益予想だが増額の可能性
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月11日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比4.6%増の68億09百万円、営業利益が2.7%減の4億63百万円、経常利益が10.7%減の4億38百万円、純利益が10.1%減の3億07百万円としている。配当予想は前期と同額の年間16円(第2四半期末6円、期末10円)で、予想配当性向は23.4%となる。
自動車内装照明用「ASA COLOR LED」など自動車関連製品が好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も増加して増収だが、研究開発の強化や基幹システムの入れ替えなど事業基盤強化に向けた費用の増加で減益予想としている。
ただし第1四半期(4~6月)は売上高が前年同期比23.6%増収、営業利益が76.3%増益、経常利益が2.1倍増益、純利益が85.2%増益だった。自動車関連製品が好調に推移して大幅増収増益だった。そして通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が26.2%、営業利益が31.3%、経常利益が34.7%、純利益が34.2%と高水準である。通期予想は増額の可能性が高いだろう。
■株価は年初来高値更新の展開
株価は9月28日に1255円まで上伸した。3月高値1150円を突破して年初来高値更新の展開だ。
9月29日の終値1236円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS68円28銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS880円48銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約57億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。そして26週移動平均線も上向きに転じて先高感を強めている。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)