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クリナップは戻り高値圏で堅調、18年3月期2桁営業増益予想で低PBRも見直し
- 2017/10/4 07:20
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチン大手で、システムバスルームも展開している。18年3月期は原価低減効果も寄与して2桁営業増益予想である。株価は戻り高値圏で堅調に推移している。0.6倍近辺の低PBRも見直して16年12月高値を目指す展開が期待される。
■システムキッチンの大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。なお収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。
17年3月期の部門別売上高構成比は厨房部門79%、浴槽・洗面部門16%、その他5%、販売ルート別売上高構成比(単体ベース)は一般ルート(工務店・リフォーム)79%、ハウスメーカー16%、直需(マンション)5%だった。
中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を目指し、重点施策として中高級品の販売強化、リフォーム市場で競争優位となる商品の開発、ショールームを核とした販売戦略の推進、サプライチェーン全体での原価低減活動の強化、設備投資およびコストの最適化などを推進している。
■18年3月期2桁営業増益予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)は売上高が前期(17年3月期)比2.1%増の1160億円、営業利益が15.6%増の23億円、経常利益が17.0%増の21億円、純利益が0.8%増の13億50百万円としている。
第1四半期(4~6月)連結業績は売上高が前年同期比3.6%減収、営業利益が25.5%減益、経常利益が13.2%減益、純利益が33.7%減益だった。リフォーム需要が低調で減収減益だった。
通期ベースでは会員登録制組織「水まわり工房」加盟店や流通パートナーと連携してリフォーム需要を喚起し、流レールシンクを標準装備したシステムキッチン「S.S.」「クリンレディ」などの中高級品を中心に拡販を強化する。原価低減効果や業務効率化も寄与して2桁営業増益予想である。
■株価は戻り高値圏で堅調、低PBRも見直し
株価は徐々に水準を切り上げて、戻り高値圏900円近辺で堅調に推移している。
10月3日の終値904円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円89銭で算出)は24~25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1437円82銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約338億円である。
週足チャートで見ると900円近辺が上値フシの形だが、13週移動平均線を回復し、26週移動平均線も上向きに転じて先高感を強めている。0.6倍近辺の低PBRも見直し材料であり、フシ突破して16年12月高値を目指す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)