建設技術研究所は調整一巡感、17年12月期減益予想だが一過性要因

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 建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタントの大手で、マルチインフラ&グローバル企業を目指している。17年12月期減益予想だが、英Waterman Group Plcの連結子会社化に伴う諸費用発生という一過性要因であり、18年12月期は収益拡大が期待される。株価は調整一巡感を強めている。

■総合建設コンサルタントの大手

 総合建設コンサルタント大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。収益面では案件ごとの採算性や売上計上時期によって四半期収益は変動しやすい特性がある。

 中長期ビジョン「CLAVIS2025」目標(25年単体受注高400億円、連結受注高600億円)達成に向けて、中期経営計画2018では目標値として18年単体受注高350億円、連結受注高470億円、単体営業利益率7.0%(営業利益24億円)、連結営業利益率6.5%(営業利益30億円)を掲げている。そして英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化した。

■17年12月期は減益予想だが一過性要因

 今期(17年12月期)の連結業績予想(8月7日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比19.0%増の500億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.4%減の24億円、そして純利益が6.7%減の13億50百万円としている。受注高は同3.6%増の440億円の計画としている。配当予想は前期と同額の年間20円(期末一括)で予想配当性向は20.9%となる。

 英Waterman Group Plcを第3四半期から連結子会社化(みなし取得日は第2四半期末)することに伴い、売上高を増額したが、諸費用が発生するため各利益を減額した。一過性要因であり、18年12月期は英Waterman Group Plcが通期寄与して収益拡大が期待される。

 中期的に事業環境は良好である。20年東京夏季五輪関連、リニア新幹線関連など建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、国土強靭化基本計画に沿って社会資本整備に対する計画的な投資が実行される。新分野・未参入分野・周辺分野・新業種等への事業領域拡大戦略も奏功して収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡感

 株価は8月~9月の直近安値圏1000円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。

 10月4日の終値1030円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円47銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1746円31銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約146億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線回復の動きを強めている。調整一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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