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加賀電子は06年高値に接近、18年3月期予想は増額の可能性
- 2017/10/6 07:34
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
加賀電子<8154>(東1)は半導体・電子部品・情報機器の販売、EMS(電子機器の受託開発製造サービス)などを展開する独立系のエレクトロニクス商社である。18年3月期は第1四半期の進捗率が高水準で増額の可能性が高いだろう。株価は06年高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。なお11月8日に第2四半期決算発表を予定している。
■独立系エレクトロニクス商社でEMSも展開
半導体・電子部品・情報機器の販売、およびEMS(電子機器の受託開発製造サービス)などを展開する独立系のエレクトロニクス商社である。
17年3月期のセグメント別売上高構成比は、電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売)75%、情報機器事業(パソコン・周辺機器、家電、写真・映像関連商品などの販売)19%、ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発)1%、その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)5%だった。
10月3日には住友金属鉱山<5713>と、SiC(シリコンカーバイド)基板開発の子会社サイコックスの株式51%譲渡契約および合弁契約の締結を発表した。サイコックスのSiC基板製造技術と住友金属鉱山の基板生産技術を融合させ、SiC基板の量産検証を促進する。
また10月3日には託児機能付ワーキングスペース運営のママスクエア(東京都)への出資、10月4日にはAI・IoTワンストップサービスを提供するスカイディスク(福岡県福岡市)への出資を発表した。
中期経営計画2018では、16年3月期~19年3月期を利益重視経営の確立と「次世代の加賀電子」として飛躍するための準備期間と位置付けている。そして18年9月の会社設立50周年に向けた総決算として、経営目標値に19年3月期売上高2900億円、経常利益100億円、ROE8%以上を掲げている。
利益配分に関する基本方針は、連結配当性向25~35%を確保しつつ安定的な配当を実施するとしている。自己株式取得は市場環境や資本効率を鑑みながら適宜検討するとしている。
■18年3月期予想は増額の可能性
今期(18年3月期)連結業績予想(5月10日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比1.2%増の2300億円、営業利益が1.8%増の70億円、経常利益が2.1%増の75億円、純利益が21.2%減の55億円としている。純利益はグループ再編に伴う法人税等調整額減少が一巡して減益予想である。配当予想は前期と同額の年間60円である。前期の年間60円には特別配当20円を含んでいるため普通配当ベースでは20円増配の形となる。予想配当性向は29.9%となる。
第1四半期(4~6月)連結業績は売上高が前年同期比7.6%増収、営業利益が2.7倍増益、経常利益が3.6倍増益、純利益が25.3%増益だった。国内外における電子機器向けEMSビジネスや、国内のアミューズメント業界向け機器などが好調に推移して大幅増益だった。営業外費用では為替差損が減少した。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.4%、営業利益29.8%、経常利益29.4%、純利益31.8%と高水準である。需要回復して通期予想は増額の可能性が高いだろう。
■株価は06年高値に接近、好業績評価して上値試す
株価は10月3日に3450円まで上伸した。そして06年高値3660円に接近している。
10月5日の終値3345円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS200円47銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2401円00銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約960億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)