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ファンデリーは好業績を再評価、健康食宅配会員数増加基調で18年3月期2桁増益予想
- 2017/10/10 07:10
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ファンデリー<3137>(東マ)は健康食宅配事業を主力として、ヘルスケア総合企業を目指している。一人暮らし高齢者や生活習慣病患者の増加も背景として健康食宅配会員数が増加基調であり、18年3月期2桁増益予想である。株価は好業績を再評価して反発が期待される。なお10月31日に第2四半期決算発表を予定している。
■健康食宅配サービスのMFD事業が主力
健康食宅配サービスのMFD(Medical Food Delivery)事業、およびマーケティング事業を展開している。17年3月期事業別売上高構成比はMFD事業91%、マーケティング事業9%だった。
MFD事業は健康食(冷凍弁当)の通販カタログ「ミールタイム」などを医療機関や調剤薬局などを通じて配布し、顧客(個人)から注文を受けて宅配する。従来の食事宅配サービスと一線を画し、食事コントロールを通じた血液検査結果の数値改善を目指している。管理栄養士・栄養士が顧客の疾病・制限数値・嗜好などに合わせてメニューを選び、定期的に届ける「栄養士おまかせ定期便」も提供している。
MFD事業の会員数は、15年3月期末15万2771人、16年3月期末18万2905人、17年3月期末20万3441人と増加基調である。全国の医療機関などの紹介ネットワーク(約1万8000ヶ所)を通じた効率的な顧客獲得、専門性の高い栄養士による「ヘルシー食」など多様な健康食の開発やカウンセリングが強みである。
また健康食宅配サービスから派生した事業として、食品メーカーなどへの健康食通販カタログ誌面の広告枠販売、食品メーカーなどからの商品サンプリングや健康食レシピ作成の業務受託、健康食レシピサイト運営などのマーケティング事業も展開し、収益源の多様化を推進している。
MFD事業はおせち料理などで12月の売上高が増加する季節要因があり、マーケティング事業は業務受託売上が下期偏重となる。利益配分については、事業規模や収益が安定成長段階に入ったと判断された時点で、配当による株主への利益還元に努めるとしている。
■18年3月期2桁増益予想
今期(18年3月期)非連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比12.8%増の36億40百万円、営業利益が12.1%増の6億81百万円、経常利益が10.3%増の6億80百万円、純利益が10.6%増の4億36百万円としている。紹介ネットワークの新規開拓や深耕などにより、MFD事業、マーケティング事業とも伸長して2桁増益予想である。配当は無配を継続する。
第1四半期(4~6月)は売上高が前年同期比3.5%増収、営業利益が25.1%増益、経常利益が19.2%増益、純利益が19.0%増益だった。MFD事業、マーケティング事業とも伸長し、販管費の抑制も寄与して大幅増益だった。
MFD事業の17年6月末会員数は16年6月末比2万180人(10.7%)増加の20万8529人、定期コース会員数は659人(9.4%)増加の7633人となった。紹介ネットワークの拡大などで会員数が順調に増加し、定期コース「栄養士おまかせ定期便」への移行も進展している。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.1%、営業利益21.1%、経常利益21.2%、純利益20.9%である。やや低水準の形だが、下期の構成比が高い収益特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。
高齢者の増加、特に一人暮らし高齢者の増加、さらに生活習慣病患者や食事制限対象者などの増加を背景として健康食宅配市場は拡大基調が予想される。従来の食事宅配サービスと一線を画した健康食メニュー開発力などを武器として、中期的に収益拡大基調だろう。
■株価は好業績を再評価して反発期待
株価(17年9月27日付で貸借銘柄)は5月の上場来高値1959円から反落して水準を切り下げたが、9月6日の直近安値1366円から切り返しの動きを強めている。9月27日には1608円まで上伸する場面があった。
10月6日の終値1494円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS68円54銭で算出)は21~22倍近辺、前期実績PBR(前期実績BPS292円10銭で算出)は5.1倍近辺である。時価総額は約95億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡し、好業績を再評価して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)