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テクマトリックスは調整一巡して反発期待、18年3月期大幅増益・連続増配予想
- 2017/10/10 07:08
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
テクマトリックス<3762>(東1)は「ITのスペシャリスト集団」として、システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などの情報サービス事業を展開している。18年3月期はセキュリティ関連が好調に推移して大幅増益・連続増配予想である。株価は調整一巡して反発が期待される。なお10月31日に第2四半期決算発表を予定している。
■システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などを展開
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、および医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム受託開発やクラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比は情報基盤事業67%、アプリケーション・サービス事業33%、営業利益構成比は情報基盤事業83%、アプリケーション・サービス事業17%だった。連結子会社は合同会社医知悟、クロス・ヘッド、沖縄クロス・ヘッド、カサレアルの4社である。
重点戦略として、ストック型ビジネスの保守・運用・監視サービス関連の戦略的拡大、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、ネットワーク・セキュリティ関連商材およびサービスの充実などを推進している。クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fast」シリーズや、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。
経営計画の目標数値には、18年3月期売上高251億円(情報基盤170億円、アプリケーション・サービス81億円)、営業利益23億50百万円(情報基盤16億円、アプリケーション・サービス7億50百万円)を掲げている。さらに中期的には年率売上高成長率10%、M&Aや海外展開を含めて事業規模250億円~300億円、ストック売上(クラウド、保守、運用・監視サービス等)比率50%超を目指して、売上高営業利益率10%へ挑戦する。
収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期(1~3月)の構成比が高い特性がある。なお株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象として実施している。
■18年3月期大幅増益・連続増配予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比9.1%増の240億円、営業利益が同21.7%増の20億円、経常利益が同35.2%増の22億円、純利益が同37.5%増の14億円としている。セキュリティ関連が好調に推移し、人件費増加などを吸収して大幅増益予想である。配当予想は3円増配の年間18円(期末一括)で予想配当性向は22.3%となる。
第1四半期(4~6月)連結業績は売上高が前年同期比0.9%増収、営業利益が16.3%減益、経常利益が85.5%増益、純利益が90.9%増益だった。人件費の増加、情報基盤事業のクロス・ヘッドにおける構造改革に伴う一時的な稼働率低下などで営業利益は減益だったが、営業外収益に投資事業組合運用益1億49百万円を計上して経常利益と純利益は大幅増益だった。アプリケーション・サービス事業では医療情報クラウドサービス「NOBORI」の好調な引き合いが継続した。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高20.5%、営業利益5.2%、経常利益11.1%、純利益10.6%である。低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い特性のため通期ベースで好業績が期待される。
■株価は調整一巡して反発期待
株価は6月の上場来高値1919円から反落して水準を切り下げた。9月22日には1472円まで調整した。
10月6日の終値1506円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円60銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS277円14銭で算出)は5.4倍近辺である。時価総額は約373億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、調整一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)