- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- インフォコムは上場来高値圏で堅調、18年3月期増収増益・連続増配予想
インフォコムは上場来高値圏で堅調、18年3月期増収増益・連続増配予想
- 2017/10/10 07:06
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォコム<4348>(JQ)はITサービスや電子コミック配信サービスを主力としてIoT領域の事業創出も積極推進している。18年3月期増収増益・連続増配予想である。株価は上場来高値圏で堅調だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。なお10月26日に第2四半期決算発表を予定している。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、ERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安全確認サービスなどのサービスビジネス事業)、および一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス、eコマース、女性向けや音楽系デジタルコンテンツの提供)を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比はITサービス54%、ネットビジネス46%、営業利益構成比(連結調整前)はITサービス42%、ネットビジネス58%だった。収益面では、ITサービス事業は年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
■新中期経営計画で成長加速
17年2月策定の新中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では、基本方針を「成長の追求」と「成長を支える経営基盤の継続強化」としている。
成長の追求では電子コミックとヘルスケアを重点事業としてM&Aを積極推進し、AIやIoTを活用したビジネス展開も推進する。成長を支える経営基盤の継続強化では品質管理の継続強化とサービス品質向上、業務プロセス改革による効率化と社会との協業強化、人財育成強化を推進する。
経営目標数値には20年3月期売上高600億円~800億円、EBITDA(営業利益+償却費)70億円~100億円、重点事業(電子コミックとヘルスケア)比率70%、ROE10%以上、配当性向30%を掲げ、M&A戦略投資枠200億円を掲げている。
電子コミック事業では最新IT技術による機能強化や、導線強化による会員数拡大を推進する。ヘルスケア事業では地域包括・介護領域への注力で売上高140億円規模への拡大を目指す。
■18年3月期増収増益・連続増配予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(4月27日公表)は売上高が前期(17年3月期)比10.1%増の460億円、営業利益が11.0%増の53億円、経常利益が9.2%増の53億円、純利益が22.7%増の40億円としている。
EBITDAは11.3%増の65億円としている。純利益にはデータセンター売却による特別利益計上(約9億円)を見込んでいる。配当予想は同10円増配の年間35円(第2四半期末10円、期末25円)で予想配当性向は23.9%となる。
ITサービスの計画は、ヘルスケア事業が回復して売上高が4.9%増の235億円、新規ビジネスへの先行投資負担を吸収して営業利益が5.5%増の21億円としている。ネットビジネスは電子コミック配信サービスが伸長して売上高が16.3%増の225億円、営業利益が14.3%増の32億円としている。電子コミック配信サービスの売上高目標は210億円としている。
第1四半期(4~6月)は売上高が前年同期比11.7%増収、営業利益が4.0倍増益、経常利益が4.1倍増益、純利益が7.8倍増益だった。ITサービス、ネットビジネスとも好調に推移し、増収効果で大幅増益だった。電子コミック配信サービス売上高は16.9%増の48.6億円で過去最高となった。特別損失では子会社株式売却損が一巡した。
通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、ITサービスは第4四半期の構成比が高い特性があるため通期ベースでも好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として、連結子会社ドゥマンが運営する食品通信販売サイト「オーガニックサイバーストア」で利用可能なポイント(1ポイントを1円として利用)を保有株数と保有年数に応じて贈呈する。
■株価は好業績評価して上値試す
株価は10月3日に上場来高値2872円まで上伸した。その後も高値圏で堅調に推移している。
10月6日の終値2780円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS146円29銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS861円50銭で算出)は3.2倍近辺である。時価総額は約801億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)