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第一実業は調整一巡して戻り歩調、18年3月期減益予想だが保守的
- 2017/10/12 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
第一実業<8059>(東1)は産業機械を主力とする機械の総合商社で、海外展開や新規分野を強化している。18年3月期は大口案件減少などで減益予想だが保守的な印象も強い。株価は調整一巡して戻り歩調だ。
■産業機械を主力とする機械の総合商社
各種産業機械を主力とする機械の総合商社である。17年3月期のセグメント別売上高構成比はプラント・エネルギー事業31%、産業機械事業29%、エレクトロニクス事業31%、ファーマ事業6%、航空事業2%、その他0%で、海外売上比率は49%だった。
新規ビジネスとして、バイナリー発電装置、植物工場システム、メガソーラー、車載向け二次電池製造装置分野、有機ELディスプレイ製造装置分野などを強化している。
中期経営計画「DASH2018」では、基本方針を「グローバルに事業軸体制を進め、一層の業績拡大を実現する」「経営体質の向上を図り、強力なガバナンス体制を構築する」として、経営目標数値には最終年度19年3月期の売上高1330億円、営業利益50億円、経常利益53億円、純利益33億円を掲げている。
収益面では案件ごとの採算性の影響を受けることに加えて、大型案件の売上計上時期によって四半期収益が変動しやすい。そして設備投資関連のため第2四半期(7月~9月)および第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
■18年3月期減益予想だが保守的
今期(18年3月期)連結業績予想は9月26日に修正した。前回予想(5月11日公表)に対して、第2四半期累計(4~9月)予想は売上高を260億円減額、純利益を1億円減額、通期予想は営業利益を1億円増額、経常利益を1億円増額した。
修正後の第2四半期累計予想は、売上高が前年同期比0.3%減の760億円で、営業利益が22.7%減の23億円、経常利益が20.6%減の25億円、純利益が23.1%減の14億円となる。
通期予想は売上高が前期(17年3月期)比14.8%増の1770億円、営業利益が17.9%減の48億円、経常利益が17.3%減の51億円、純利益が7.2%減の31億円となる。
第2四半期累計予想は、大型プラントの納期が第3四半期(10~12月)にずれ込んだため売上高を減額したが、大型案件の粗利益率が低い一方で、産業機械事業およびエレクトロニクス事業が好調なため、営業利益と経常利益を据え置いた。純利益は投資有価証券評価損計上が影響する。通期予想は、産業機械事業およびエレクトロニクス事業が好調なため、営業利益と経常利益を増額した。通期は修正後も減益予想だが、設備投資需要が高水準であり、保守的な印象が強い。
配当予想(17年10月1日付で5株を1株に併合することに伴って6月27日に修正)は、第2四半期末9円、期末45円としている。株式併合を考慮して換算すると前期は年間95円、今期は年間90円となり、実質的に5円減配となる。
■株価は調整一巡して戻り歩調
株価(17年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更、5株を1株に併合)は、8~9月の直近安値圏2900円近辺から切り返して10月2日には3300円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。
10月11日の終値3185円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS291円15銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS3633円05銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約353億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。調整一巡して出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)