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立花エレテックは上場来高値更新の展開、18年3月期予想は増額の可能性
- 2017/10/12 07:48
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。需要が高水準に推移して18年3月期予想は増額の可能性がありそうだ。18年3月期末から株主優待制度を導入する。株価は上場来高値更新の展開だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。なお10月2日にサンテレビジョン(32ch)「東京マーケットワイド」にCM提供をスタートしたと発表している。また11月6日に第2四半期決算発表を予定している。
■産業用機器・電子部品を扱う技術商社
産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占めている。M&Aも積極活用して業容を拡大している。海外は子会社8社合計14拠点で中国および東南アジアに展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比(18年3月期からの新セグメントに組み替え後)は、FAシステム事業59%(FA機器39%、FAシステムソリューション9%、産業メカトロニクス4%、産業デバイスコンポーネント7%)、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)30%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)9%、その他(MS事業・他)4%だった。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した事業である。海外事業売上比率は13.9%だった。
収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期(7~9月)および第4四半期(1~3月)の構成比が高くなる季節特性もある。
技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。
■18年3月期横ばい予想だが1Q大幅増益で通期増額の可能性
今期(18年3月期)連結業績予想(5月12日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比3.0%増の1650億円、営業利益が0.5%増の52億円、経常利益が1.1%増の54億円、純利益が5.0%減の37億円としている。配当予想は同4円増配の年間32円(第2四半期末16円、期末16円)としている。予想配当性向は21.8%となる。
第1四半期(4~6月)は、売上高が前年同期比9.7%増収となり、営業利益が69.5%増益、経常利益が94.6%増益、純利益が2.1倍増益と、各利益とも大幅だった。半導体デバイス事業が大幅伸長し、FAシステム事業も好調だった。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.9%、営業利益22.4%、経常利益24.5%、純利益25.2%である。設備投資関連で第2四半期および第4四半期の構成比が高くなる季節特性を考慮すれば高水準であり、通期予想に増額の可能性がありそうだ。
■株主優待制度を18年3月期末から実施
なお株主優待制度を18年3月期末から実施する。毎年3月31日現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈する。
■株価は上場来高値更新の展開、好業績評価して上値試す
株価は上場来高値更新の展開で、10月2日には1828円まで上伸した。
10月11日の終値1819円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円60銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2361円12銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約473億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドである。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)