エイジアはモミ合い上放れ期待、18年3月期2桁増益・増配予想

 エイジア<2352>(東2)はメール配信システムの大手で、主力のWEBCASシリーズ導入企業は4000社を突破している。中期成長に向けてeコマース分野を強化し、AI(人工知能)を活用した新サービス開発も推進している。18年3月期2桁増益・増配予想である。株価はモミ合い上放れの展開が期待される。なお10月31日に第2四半期決算発表を予定している。

■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、システム受託開発なども展開している。17年3月期セグメント別売上高構成比はアプリケーション事業85%、コンサルティング事業14%、オーダーメイド開発事業2%だった。

 メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。多様な業界の企業や官公庁に導入され、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。

 WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心として、メール共有システム「WEBCAS mailcenter」などをラインナップに抱えるe-CRMアプリケーションシリーズである。17年9月にはWEBCASシリーズ導入企業が4000社を突破した。

 中期成長戦略としてクラウドサービスの強化、新製品・サービス開発の推進、サービスソリューションの拡大に取り組み、新製品・サービスとしてマーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」や、人工知能アルゴリズムを駆使した感性分析型テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」も発売している。

 収益面ではシステム開発関連のため下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。利益配分については、意識する配当性向を17年3月期から30%前後に引き上げた。新中期経営計画では目標値に、20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。

■18年3月期増収増益・増配予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月10日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.6%増の14億45百万円、営業利益が同10.8%増の3億18百万円、経常利益が同10.0%増の3億21百万円、純利益が同17.6%増の2億08百万円としている。クラウドサービスを中心にアプリケーション事業が好調に推移して増収増益・増配予想である。

 配当予想は年間15円50銭(期末一括)としている。17年4月1日付株式2分割を考慮して、前期の年間25円を12円50銭に換算すると実質的に3円増配となる。予想配当性向は30.4%となる。

 第1四半期(4~6月)連結業績は売上高が前年同期比24.8%増収、営業利益が47.3%増益、経常利益が42.2%増益、純利益が20.6%増益だった。アプリケーション事業はクラウドサービスやライセンス販売の伸長で21.1%増収だった。コンサルティング事業は52.5%増収だった。メールコンテンツ企画・制作のコンサルティングサービス、Web制作のデザインサービス、子会社FUCAとも好調だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.6%、営業利益21.4%、経常利益22.1%、純利益18.3%である。低水準の形だが、システム開発関連で下期の構成比が高い特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。

■株主優待制度は毎年3月末に実施

 株主優待制度は、毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価はモミ合い上放れ期待

 株価(17年4月1日付で株式2分割)は1000円~1200円のレンジでモミ合う形だが、煮詰まり感を強めて徐々に下値を切り上げている。

 10月12日の終値1152円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円04銭で算出)は22~23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円50銭で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS294円48銭で算出)は3.9倍近辺である。時価総額は約52億円である。

 週足チャートで見ると13移動平均線を回復し、26週移動平均線も上向きに転じた。モミ合い上放れが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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