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UUUMは目先的な売り一巡して8月IPO時の高値目指す、18年5月期1Q大幅増収で通期予想に対する進捗率も順調
- 2017/10/16 07:40
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
UUUM(ウーム)<3990>(東マ)は、YouTubeクリエイターのチャンネルを管理してサポートするクリエイターサポートサービス、および自社サービスを展開している。18年5月期第1四半期は72%増収となり、通期予想に対する進捗率も順調である。オンライン動画広告市場は拡大基調であり、中期的にも収益拡大が期待される。株価は第1四半期業績を嫌気する形となったが、目先的な売りが一巡してIPO時の8月高値を目指す展開が期待される。
■YouTubeクリエイターサポートサービスが主力
13年6月設立、14年12月現UUUMに商号変更、17年8月東証マザーズに新規上場した。YouTubeクリエイターが保有するチャンネルを管理してサポートするクリエイターサポートサービスを主力として、動画やゲームなどのコンテンツを制作する自社サービスも展開している。自社サービスでは講談社と共同でYouTubeチャンネル「ボンボンTV」の運営も行っている。
17年5月末時点のYouTubeチャンネル登録者数ランキングにおいて、トップ10のうち6チャンネルを当社所属クリエイターが占めるなど、国内最大手のMCN(Multi Channel Network)である。
なお17年6月末時点の専属クリエイターは178名、所属チャンネル数(専属クリエイターおよびMCN規約に同意するネットワーククリエイターのチャンネル数の総計)は4526チャンネルである。そして17年8月には月間動画再生回数が会社設立後初めて30億回を突破した。
■下期の構成比が高い季節特性
17年5月期の売上高は、クリエイターサポートサービスが66億83百万円(アドセンス売上が40億31百万円、広告売上が22億01百万円、その他が4億50百万円)で、自社サービスが3億円だった。
主力のクリエイターサポートサービスの収益は、YouTube上に流れる広告による収益の一部を、YouTube(Google Inc)から受領するアドセンス収益と、タイアップ動画を中心とする広告収益(顧客企業の商品・サービスを紹介する動画をクリエイターが制作し、自身のYouTubeチャンネルで公開する対価として顧客企業から動画制作費を受け取る広告収益)で構成されている。また売上原価ではクリエイターへの支払を含む外注費が90%以上を占めている。
なおアドセンス、タイアップとも、国内広告市況の季節性の影響を大きく受けるため、売上高は下期の構成比が高くなる季節特性がある。
■18年5月期1Qは72%増収
10月12日発表した今期(18年5月期)第1四半期(6~8月)連結業績は売上高が23億88百万円、営業利益が1億17百万円、経常利益が1億06百万円、純利益が70百万円だった。
前年同期は四半期財務諸表を作成していないため、参考数値との比較で、売上高は72%増収、営業利益は32%減益、純利益は41%減益だった。社員増加に伴う人件費の増加や新規事業関連費用の増加など、販管費が大幅増加して営業減益だった。ただし売上高は72%増の大幅増収となり、粗利益も83%増の7億27百万円と大幅伸長した。
事業別の売上高は、クリエイターサポートサービスが74%増の22億82百万円(アドセンス売上が76%増の12億90百万円、広告売上が63%増の7億81百万円、その他が2.2倍の2億12百万円)で、自社サービスが45%増の1億06百万円だった。動画再生回数(3ヶ月合計)は49%増の74億46百万回で、期末(17年8月末)所属チャンネル数は65%増の4731チャンネルだった。
■18年5月期増収増益予想で1Q進捗率順調
今期(18年5月期)通期連結業績予想(8月30日公表)は売上高が前期(17年5月期)比28.6%増の89億79百万円、営業利益が11.6%増の4億円、経常利益が8.9%増の3億81百万円、純利益が0.8%増の2億59百万円としている。
事業別売上高の計画は、クリエイターサポートサービスが27%増の84億94百万円(アドセンス売上が19%増の47億96百万円、広告売上が36%増の30億円、その他が55%増の6億98百万円)で、自社サービスが62%増の4億85百万円としている。
なお第1四半期の進捗率は、第2四半期累計(6~11月)予想に対して各利益が大幅超過達成となり、通期予想に対しても売上高26.6%、営業利益29.3%、経常利益27.8%、純利益27.0%と順調である。中期成長に向けた先行投資で通期の増益率は増収率に比べて小幅な予想だが、大幅増収基調に変化はなく通期ベースで好業績が期待される。
またオンライン動画広告市場は拡大基調であり、サービス認知度向上効果、クリエイターの発掘・育成、コンテンツ充実、新規ビジネスへの展開などで、中期的にも収益拡大が期待される。
■株価は目先的な売り一巡してIPO時の8月高値目指す
株価はIPO人気が剥落した9月10日安値4400円から反発して下値を切り上げている。そして10月2日には5800円まで上伸した。10月13日は第1四半期業績を嫌気する形となったが、一時的な反応だろう。
10月13日の終値は5150円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円82銭で算出)は118倍近辺、時価総額は約313億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線が下値を支える形だ。第1四半期の進捗率は順調であり、目先的な売りが一巡してIPO時の8月高値6800円を目指す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)