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マーケットエンタープライズは下値固め完了して上放れ、18年6月期営業黒字化予想で収益改善期待
- 2017/10/19 06:36
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略も推進している。18年6月期は営業黒字化予想である。収益改善が期待される。株価は下値固め完了して上放れの動きを強めている。
■インターネットに特化してリユース品買取・販売事業を展開
インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。
コンタクトセンターにおける事前査定サービス、出張・宅配・店頭の3チャネルによる買取サービス、全国のリユースセンターでの在庫一括管理という、コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴とし、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築していることが強みだ。
買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、複数の自社運営WEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国のリユースセンター(17年9月に9ヶ所目となる買取・物流拠点「西東京リユースセンター」を東京都府中市に開設)で在庫を一括管理する。
そしてヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど複数の主要Eマーケットプレイスに出店した自社運営サイトで、一般消費者や法人向けに販売する。販売サイトのサービスブランドは「ReRe(リリ)」に統一した。
また17年2月中古農機具・農業機械の買取専門サービスサイト「農機具高く売れるドットコム」を開始、17年3月宅配レンタルサービス「ReReレンタル」を開始、17年6月「コト消費」時代の新メディアとして趣味とその道具に出会えるウェブメディア「ビギナーズ」を開始した。
■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進
中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。中期成長戦略では収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。
水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設を推進し、出張・店頭買取における人口カバー率の向上や買取コンバージョン率の向上を目指す。垂直展開では取扱商品拡大に向けて、比較サイト運営・専門企業などとのアライアンスを強化し、高単価・低粗利益率帯の車・バイク・不動産など、低単価・高粗利益率帯の衣類・本など、未取扱商材や依頼情報のマネタイズゾーン拡充を図る。そしてシェアードエコノミーを実現する社会的インフラの一翼を担うべく、積極的なIT投資によって新サービスを創造・拡充させるとしている。
16年8月には光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立した。16年9月高機能中古スマホ・タブレットと低価格SIMカードを組み合わせた低価格通話サービス「カシモ」を開始、17年10月には「カシモWiMAX」を開始した。
■引越しシーズンの第4四半期(4月~6月)の構成比が高い収益構造
収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。
■18年6月期営業黒字化予想で収益改善期待
今期(18年6月期)連結業績予想(8月14日公表)は、売上高が前期(17年6月期)比17.2%増の66億円、営業利益が55百万円の黒字(前期は7百万円の赤字)、経常利益が51百万円の黒字(同4百万円の黒字)、純利益が29百万円の黒字(同19百万円の赤字)としている。配当は無配継続としている。
リユース市場・EC市場が拡大基調であり、水平展開(全国主要都市への新規拠点開設)や垂直展開(取扱商材と顧客層の拡大)強化などで2桁増収予想である。利益面では、戦略的投資期間と位置付けて2拠点新規開設などで費用が増加するが、営業黒字化予想である。
前期(17年6月期)の四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(非連結)12億05百万円、第2四半期(連結)13億90百万円、第3四半期(連結)14億93百万円、第4四半期(連結)15億42百万円、営業利益は71百万円の赤字、0百万円、14百万円、50百万円だった。四半期ベースで営業損益は改善基調であり、今期(18年6月期)の収益改善が期待される。
■株価は下値固め完了して上放れの動き
株価は600円近辺でモミ合う展開だったが、10月18日に688円まで上伸した。下値固め完了してモミ合いから上放れる動きだ。
10月18日の終値671円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS5円71銭で算出)は118倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS179円80銭で算出)は3.7倍近辺である。時価総額は約34億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が下値を支える形だ。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)