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ヒーハイスト精工は過熱感解消、18年3月期予想は増額の可能性
- 2017/10/19 06:30
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ヒーハイスト精工<6433>(JQ)は直動機器を主力としている。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。18年3月期は第1四半期で通期利益予想をほぼ達成している。通期予想は増額の可能性が高いだろう。株価は06年来の高値圏だ。過熱感が解消し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー
球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。
主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。
17年3月期の製品別売上構成比は直動機器55%、精密部品加工33%、ユニット製品12%だった。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。
収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。
■18年3月期予想は増額の可能性で収益改善基調
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比7.4%減の20億39百万円、営業利益が6.8%増の1億55百万円、経常利益が13.5%増の1億51百万円、純利益が3.9%増の87百万円としている。配当予想は前期と同額の年間2円(期末一括)としている。予想配当性向は14.3%となる。
第1四半期(4~6月)は売上高が前年同期比68.5%増収、営業利益が5.4倍増益、経常利益が6.4倍増益、純利益が6.7倍増益だった。直動機器、精密部品加工、ユニット製品とも需要が大幅伸長し、増収効果で大幅増益だった。
製品別売上高は、直動機器が産業用機械業界向けなどの好調で29.2%増の3億69百万円、精密部品加工がレース用部品の需要大幅増加で82.5%増の2億38百万円、ユニット製品が液晶製造装置向けの需要大幅増加で5.3倍の1億37百万円だった。
売上総利益は91.1%増加し、売上総利益率は34.5%で4.1ポイント上昇した。販管費は3.3%増加にとどまり、販管費比率は14.9%で9.4ポイント低下した。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高36.5%、営業利益94.2%、経常利益96.0%、純利益116.1%で、利益は通期予想をほぼ達成している。先行不透明感が強いとして通期予想を据え置いたが、増額の可能性が高いだろう。そして収益改善基調が期待される。
■株価は06年来高値圏、過熱感解消して上値試す
株価(17年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更)は、第1四半期業績を好感して10月3日の672円まで上伸した。06年来の高値圏だ。
10月18日の終値584円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円02銭で算出)は42倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は0.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS497円75銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約36億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して過熱感が解消した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。過熱感が解消し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)