【編集長の視点】ムサシは6連騰、業績上方修正を見直し割安株買いが膨らみ統一地方選挙も先取り

編集長の視点

ムサシ<7521>(JQS)は、7円高の1415円と6営業日続伸して始まっている。同社は、今3月期業績を期中に3回修正、上方修正と下方修正が交錯したが、今年2月の上方修正で連続減益予想が増益転換して期末配当も増配したことを見直し割安株買いが増勢となっている。今年4月に統一地方選挙が予定され、今年2月23日に西川公也前農林水産大臣が辞任したことを受け、今年最大の政局イベントとして注目度が高まっていることも、選挙システム機材特需を発生させると期待し、先取りされている。

■市場シェア80%の選挙システム機材に衆議院選挙特需

同社の今3月期業績は、昨年6月に期初予想を下方修正し、10月には売り上げ、営業利益を再下方修正するとともに、経常利益、純利益を上方修正、今年2月は、この10月の修正値をすべて上方修正した。売り上げを10月予想値より13億4400万円、営業利益を4億5500万円、経常利益を5億800万円、純利益を3億600万円それぞれ引き上げ、純利益は、9億8300万円(前期比29.2%増)と増益転換する。昨年12月に実施された衆議院選挙で投票用紙読み取り機、分類機、計数機などをはじめとした選挙システム機材の販売が増加したことが要因となった。配当は、期末配当を期初予想の10円から20円に引き上げ年間30円(前期実績25円)に増配する。

同社の選挙システム機材は、市場シェアが80%に達し、総合サプライヤーとして実質的の競合他社がない業界トップを誇っており、とくに国政選挙が実施された場合に同機材の販売が増加する。これに続くのが、4年に1回実施される統一地方選挙向け需要である。今年も4月12日、26日に前半戦、後半戦に分かれて全国1000弱にわたり首長選挙、議員選挙が実施されることが決定されており、来期業績への期待材料にもなり注目される。

■PER10倍台、PBR0.4倍の割安修正で高値再挑戦

株価は、業績の下方修正が響いて1200円台を試す下値もみ合いを続け、昨年11月に衆議院解散・総選挙ムードが高まるとともに昨年来高値1870円まで急騰し、ほぼ往って来いの安値固めから今期業績の上方修正・増配に反応して25日移動平均線から上放れた。まだPERは10倍台、PBRは0.4倍、配当利回りは2.12%と割安であり、高値に再挑戦しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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