【新規上場(IPO)銘柄】マネーフォワードは家計簿アプリシェアナンバーワン、新たなサービスラインの拡充に期待感

株式市場 IPO 鐘

 マネーフォワード<3994>(東マ)は、本年9月29日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションにもとづき、個人や法人、すべての人のお金の課題を解決するサービスを提供している。

 BtoC(個人向け)及びBtoB(法人向け)の両領域でサービスを提供しているが、個人向けのPFMサービスでは、自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」、くらしの経済メディア「MONEY PLUS」、自動貯金アプリ「しらたま」を運営している。法人・個人事業主向けのMFクラウドサービスでは、企業向けSaaS型サービスプラットフォーム「MFクラウドシリーズ」において、バックオフィス業務における領域を包括的にカバーするサービスを提供している。

 10月13日大引け後に今11月期第3四半期決算を発表。第3四半期業績実績は、売上高19億3400万円、営業損益7億2000万円の赤字、経常損益7億3500万円の赤字、最終損益7億4100万円の赤字着地。「マネーフォワード」は家計簿アプリシェアナンバーワンで、利用者数は550万人を突破(2017年9月)し、家計簿アプリ利用者の約4人に1人は「マネーフォワード」を利用。売上高はPFMサービス、MFクラウドサービス共に累計売上高が大きく成長し前年同期比93.7%増と通期計画達成に向け着実に進捗。広告宣伝費を除いた営業損失額は前年同期比で大きく改善し、業績は概ね当初計画通り推移している。

 今17年12月期業績予想は、売上高26億8100万円、営業損益9億9500万円の赤字、経常損益10億0600万円の赤字、最終損益10億1400万円の赤字となる見通し。上場で調達した資金は広告宣伝費などに充てる計画で、年間配当は無配を予定している。

 株価は、9月29日に公開価格1550円を93.5%上回る3000円で初値をつけ、10月3日高値3425円と上昇。同10日安値2692円まで調整を挟んで同13日に3180円と買われた後、モミ合っている。中長期の成長に向けて、WEBプロモーション等の広告費用、組織強化のための人財獲得のための投資を予定通り実行しているため、最終赤字となる見通しだが、新たなサービスラインの拡充として、自動貯金アプリ「しらたま」のリリース、請求・回収等の管理業務代行サービス 「MF KESSAI」の提供開始で業容は拡大すると期待される。大きく下押す場面があれば、中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ、(株式評論家・信濃川)

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