【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クレスコは15年3月期業績3回目の増額の可能性や収益拡大基調を評価して上値追い

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 受託ソフトウェア開発のクレスコ<4674>(東1)の株価は高値更新の展開が続いています。今期(15年3月期)業績見通しと配当予想の増額修正も好感する動きです。今期業績3回目の増額修正の可能性や収益拡大基調を評価して、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開が期待されます。

 ビジネス系のソフトウェア開発事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売)も展開しています。重点施策としては品質管理とプロジェクトマネジメント力の向上、組込型ソフトウェア開発事業の再構築、クラウド関連ソリューションの展開、新ビジネスモデル創出と事業領域拡大、グループ連携強化による収益性改善、ニアショア開発・オフショア開発の推進(地方分散開発体制強化と海外開発体制整備)などを掲げています。

 またオリジナル製品・サービスの「インテリジェントフォルダ」「クレアージュ」や、14年6月に開始したSAP基幹業務をモバイル化して業務効率を向上させる新ソリューション「モビック」の拡販も推進しています。

 得意分野を持つビジネスパートナーとのアライアンス・M&A戦略も積極活用しています。13年4月ソリューション事業のクリエイティブジャパンを完全子会社化、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化、13年9月三谷産業<8285>とクラウドサービス事業で協業体制構築、14年3月ゴマブックスと提携して企業内文書デジタルサービス「Creage for Digital Publishing」の提供開始、14年8月高速クラウド構築支援サービスでSkeedと技術提携、14年12月受託ソフトウェア開発およびシステム基盤構築のエー・アイ・エム スタッフを持分法適用会社化しました。

 15年1月には、ブルートゥースに特化した近距離無線通信技術開発の子会社ワイヤレステクノロジーが、ウェアラブル製品企画・製造・販売のヴェルトが14年12月発売した日本初のスマートウォッチ「ヴェルト・セレンディピティ」専用回路基板のハードウェアおよびソフトウェアの設計開発を行ったと発表しています。

 なお2月16日に、子会社ワイヤレステクノロジーとクレスコ・アイディーを統合(4月1日予定)し、商号を「クレスコ ワイヤレス」に変更すると発表しました。近距離無線通信技術の専門性を高め、事業の一元化を通じてより付加価値の高いサービスを提供するとしています。

 2月6日に発表した今期(15年3月期)第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.4%増の181億54百万円、営業利益が同56.0%増の15億12百万円、経常利益が同40.7%増の16億90百万円、純利益が同64.5%増の11億83百万円となりました。増収効果や効率化効果などで大幅増益となりました。

 セグメント別の売上動向を見ると、ソフトウェア開発事業は同13.9%増収となりました。金融・保険分野が同23.3%増収、公共・サービス分野が同4.4%増収、流通・その他分野が同7.7%増収と好調に推移しました。組込型ソフトウェア開発事業は同23.4%増収となりました。通信システム分野は同9.1%減収でしたが、カーエレクトロニクス分野が同91.4%増収となり、情報家電・その他分野も同11.3%増収となりました。商品・製品販売は同15.7%増収となりました。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)58億10百万円、第2四半期(7月~9月)61億89百万円、第3四半期(10月~12月)61億55百万円で、営業利益は第1四半期3億80百万円、第2四半期5億89百万円、第3四半期5億43百万円となりました。

 通期連結業績見通しは2月6日に増額修正しました。前回予想(10月20日に増額修正)に対して売上高を9億円増額して前期比13.0%増の249億円、営業利益を1億50百万円増額して同32.9%増の19億円、経常利益を2億円増額して同25.2%増の21億円、そして純利益を1億円増額して同43.4%増の13億50百万円としました。

 配当予想についても2月23日に増額修正しました。前回予想(9月16日に増額修正)に対して期末4円増額して年間38円(第2四半期末17円、期末21円)としました。前期との比較では8円増配となります。配当に関しては特別損益を零とした場合に算出される当期純利益の40%相当額の配当を継続的に実現することを目指しています。

 修正後の通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高72.9%、営業利益79.6%、経常利益80.5%、純利益87.6%と高水準です。第4四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造も考慮すれば、通期業績見通しは3回目の増額の可能性が高いでしょう。

 ソフトウェア開発事業では金融・保険分野や公共・サービス分野、組込型ソフトウェア開発事業ではカーエレクトロニクス分野の好調が牽引し、日立グループ向けが主力の子会社クリエイティブジャパンの寄与や、新ソリューション「モビック」の拡販なども期待されます。

 国内のIT投資需要は、クラウドやモバイル端末を活用したシステムへの移行、ITシステム基盤の統合・再構築、ビジネスプロセスの可視化・最適化、ビッグデータの分析と活用、仮想化技術の導入、ソーシャル・テクノロジーのビジネス活用などを背景として高水準に推移する見込みです。中期的にも収益拡大基調が期待されます。

 なお14年11月のドイツ銀行ロンドン支店を割当先とする自己株式を活用した第三者割当による第1回~第3回新株予約権の発行、および新株予約権買取契約(行使許可条項付・ターゲット・イシュー・プログラム「TIP・2014モデル」)に関して、2月18日と20日に第1回新株予約権の大量行使を発表しています。

 株価の動きを見ると、ほぼ一本調子に高値更新の展開が続いています。足元では今期業績見通しの増額修正や今期配当予想の増額修正も好感して2月24日に2050円まで上伸する場面がありました。目先的には過熱感を強めていますが収益拡大基調を評価する流れに変化はないでしょう。

 2月24日の終値1939円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS128円68銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS849円71銭で算出)は2.3倍近辺です。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって13年秋起点の上昇トレンドが続いています。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が10%を超えて目先的な過熱感を強めていますが、指標面に割高感はなく、今期業績3回目の増額修正の可能性や収益拡大基調を評価して、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開が期待されます。

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