【業績でみる株価】下値固まるファーストブラザーズ、今期大幅増益で出直り近い

業績で見る株価

ファーストブラザーズ<3454>(東マ・売買単位100株)は、18日に上場、1900円台で下値が固まっています。

同社は不動産の投資運用事業と投資銀行事業を手掛けます。投資運用事業は私募ファンドの不動産投資案件を取得・売却し顧客の利益獲得に成功してきたことが高く評価されて、同事業は2014年11月期(前期)の実績で前々期比26.5%増収、同2.7倍の営業増益を確保しました。

また、投資銀行事業は顧客とのセイムボード投資(共同投資)売却によるキャピタルゲインの獲得、自己勘定による不動産投資案件売却で同じく4倍の増収、同10.6倍の営業増益となりました。加えて、前期の大幅な増収増益は特殊なファイナンス手法を用いた特別目的会社の売上高52億5700万円、営業利益10億6500万円が含まれていました。こうしたことから、全体で前期業績は前々期比3.3倍の増収、同25.7倍もの営業増益の大幅な増収率、増益率を達成です。

しかし、今期の業績からこの特殊要因分が発生せず、その反動により今期業績は売上高36億700万円(前期比66.4%減)、営業利益20億4500万円(同8.5%減)、経常利益18億3800万円(同14.6%減)、当期純利益10億6600万円(同62.1%増)となる見通し。

前期発生した特殊要因を除くと、前期の営業利益は11億6900万円となり、それをベースにした増益率は今期、前期比75.0%もの大幅増益となります。また、同じく経常利益も前期6億5800万円となるので、同62.0%増益という増益率を達成することになるわけです。そして、今後ともセイムボード投資の拡大、安定収益物件(賃貸物件)への積極的な投資を背景に同社は高成長、高収益を確保するものと期待されています。

一方、株価は2015年2月18日に東証マザーズに新規上場して、公開価格2040円に対して136円高い2176円(2月19日)まで買い進まれました。24日は1960円です。

今期の予想一株当たり利益は160円47銭で計算したPERは11.8倍と今期実質、7割を超える営業増益を確保する見通しの同社株の評価は低すぎると言わざるを得ません。中期的には3000円台乗せも夢ではないと思われます。

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