【どう見るこの相場】米・欧・日の景気三極揃い踏みは来るか

■早ければ年内にも揃い踏み実現、欧州量的緩和、日本は3回目の緩和も

ECBが、今年1月22日に金融の量的緩和を決めたのに続き、2月24日にはギリシャに対する支援を6月まで4カ月延長することを決めました。

これを好感して本尊ともいえるギリシャの株式マーケットが急伸、イギリス、ドイツ、イタリアなどの株式指数が一斉高となっています。もちろん、NYダウも最高値更新です。

「欧州経済にやっと、春の兆しが見えてきました。これから、量的緩和の効果も見込めるので欧州景気が回復に転じ、既に、回復に向かっている日本、さらに好調が続いているアメリカの三極景気が揃い踏みする日は近い」との見方となっています。

ギリシャは企業でいえば、3月末で資金繰りに行き詰まり倒産の心配がありましたが、ユーロ圏19カ国連合がギリシャに対する支援を今年6月まで延長することを決めました。夏場には、再び大口の債務返済が控えていますが、それまでに、ECBの量的緩和による欧州景気の回復とギリシャ自身の財政改革努力という2つから乗り切れるとの観測です。

今回のギリシャの再建策は汚職、密輸、課税逃れ等に対する強化で税収を増やすことを狙いとしています。このていどでギリシャの景気が本格的に回復するかどうかは疑問ですが、それ以上に欧州景気全体の回復することがポイントといえるでしょう。

欧州全体が明るくなれば余裕も出て夏場のギリシャ支援もやりやすくなるはずです。

一方、アメリカは金利引き上げが必要なほど景気好調ですが、しかし、欧州、日本の景気が弱い今の状態で引き上げしたのでは回復の腰を折ってしまう心配があります。24日、イエレンFRB議長が金利引き上げは、「6月以降」と6月を強調しているのもギリシャ支援6月までを意識したものといえるでしょう。

また、日本は昨年10~12月のGDPが3期ぶりにプラスに転じ明るさがみられます。金利安、円安、原油安のトリプル効果、さらにインバウンド消費効果で日本の今後の景気には力強さを増すものとみられます。「回復が鈍い場合は、黒田・日銀総裁は年内に3度目の金融緩和をやると思います」(株式評論家・海老原紀雄氏)という見方もあります。

長い間、世界景気は停滞、アメリカ一人が機関車役で引っ張ってきましたが、今年後半には、アメリカ、日本、欧州の三極揃い踏みが予想されそうです。

NYダウは最高値を更新中です。日経平均も日本が景気回復から成長に向かう見通しとなれば1989年の最高値3万8915円奪回の期待が膨らみそうです。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る