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Eストアーは安値圏モミ合いから上放れて戻り試す、18年3月期増収基調
- 2017/10/30 08:54
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
Eストアー<4304>(JQ)はEC専門店の総合支援会社である。18年3月期は人件費増加で営業微減益予想だが、注力中のマーケティングサービスが大幅伸長して増収基調である。株価は安値圏モミ合いから上放れの動きだ。戻りを試す展開が期待される。なお11月9日に第2四半期決算発表を予定している。
■EC専門店を総合支援
EC専門店の総合支援会社で、ECサイト構築から運営コンサルティングや各種代行サービスまで展開している。17年3月期の売上高構成比は、ストックが41%、フロウが41%、マーケティングが17%、メディアが1%だった。
■マーケティングサービスに注力
中期収益力向上に向けた事業戦略として、経営資源を顧客EC店舗の販促を支援するマーケティングサービスに傾注させ、顧客EC店舗の業績拡大に努めている。一方でECサイト構築の通販システムは、新規顧客獲得をECでのポテンシャルが見込める優良顧客に偏重させているため、顧客店舗数が減少し、売上高構成比も低下している。
17年3月期末のメインサービスのショップサーブ(大口店舗除く)顧客店舗数は1万1590店舗で16年3月期末比1001店舗減少したが、17年3月期の1顧客店舗当たり業績は692万円で16年3月期比9.5%成長した。
■18年3月期営業微減益予想だが増収基調
18年3月期の非連結業績予想は売上高が17年3月期比4.5%増の49億90百万円、営業利益が1.0%減の4億03百万円、経常利益が1.1%減の3億97百万円、純利益が3.8%増の2億74百万円としている。
人件費の増加などで営業利益と経常利益は微減益予想としているが、マーケティングサービスに傾注させて増収基調である。純利益は微増益予想である。配当予想は未定としている。
第1四半期(4~6月)は、売上高が前年同期比5.5%増収だったが、営業利益が10.6%減益、経常利益が11.3%減益、純利益が12.2%減益だった。
売上面では顧客店舗の業績に連動するフロウ売上高が5.7%増収と好調だった。マーケティング支援および優良顧客の増加によって1顧客当たりの業績が伸長した。また注力中のマーケティング売上高は41.8%増収だった。人材投資によって体制構築が進み、既存顧客店舗からの受注が増加し、新規顧客店舗からの受注も大幅伸長した。通販システムは4.9%減収だった。新規顧客獲得をECでのポテンシャルが見込める優良顧客に偏重させているため顧客数が減少した。非注力分野のメディア売上は49.8%減収だった。
利益面では、マーケティング支援の体制構築に必要な人員増に伴って人件費が増加し、原価率の高いマーケティング売上高の比率上昇も影響した。
第1四半期は2桁減益だったが、通期予想に対する進捗率は売上高24.4%、営業利益26.8%、経常利益26.7%、純利益25.9%と概ね順調である。
■株価は安値圏モミ合いから上放れて戻り試す
株価は安値圏700円台での下値固めが完了し、モミ合いから上放れの動きとなった。10月27日には859円まで上伸した。
10月27日の終値858円を指標面で見ると、今期予想PER(予想EPS53円09銭で算出)は16~17倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS227円30銭)で算出は3.8倍近辺、時価総額は約89億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じてサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。基調転換した形だ。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)