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JFEシステムズは上げ足速める可能性、18年3月期2Q累計大幅営業増益で通期予想に増額余地
- 2017/11/1 07:11
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。JFEスチール製鉄所システムリフレッシュなどで18年3月期第2四半期累計は大幅営業増益だった。通期は7期連続増収・営業増益予想である。そして増額余地がありそうだ。株価は7月と8月の年初来高値に接近している。これを突破すれば上げ足を速める可能性がありそうだ。
■JFEグループの情報システム会社
JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。
17年3月期事業別売上高は鉄鋼が176億円、一般顧客が143億円、基盤サービスが33億円、子会社(JFEコムサービス)が39億円だった。情報システム関連のため、収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
中期経営計画(16年3月期~18年3月期)では高収益事業への構造転換を目指し、目標数値に18年3月期売上高400億円以上、経常利益20億円以上、純利益12億円以上、EPS150円以上を掲げている。利益目標値は17年3月期に前倒し達成した。
重点戦略として、JFEスチール製鉄所業務プロセス改革に向けたシステム刷新の遂行、ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業の拡大、基盤サービス事業拡大に向けたクラウドサービスの立ち上げ、自動車など製造業顧客基盤の拡大、e-文書(電子帳票)ソリューションなど自社プロダクト拡販などを推進している。
なお10月23日には、ライオン<4912>および東芝デジタルソリューションズとの3社共創で化学物質情報管理システムを開発し、17年11月からライオンの国内すべての研究・開発拠点で運用を開始すると発表している。
■18年3月期2Q累計は大幅増益
10月27日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計(4~9月)連結業績は、売上高が前年同期比5.3%増の191億74百万円、営業利益が67.4%増の12億26百万円、経常利益が67.9%増の12億33百万円だった。
JFEスチール製鉄所システムリフレッシュや基盤サービスなど需要が高水準に推移した。プロジェクト管理徹底や下期予定の高採算案件の前倒しも寄与して大幅営業増益だった。売上高、営業利益、経常利益とも過去最高を更新した。
売上総利益は14.6%増加し、売上総利益率は20.0%で1.6ポイント上昇した。販管費は0.1%減少し、販管費比率は13.6%で0.8ポイント低下した。純利益は本社移転に伴う特別損失7億02百万円を計上したため、33.9%減の3億16百万円だった。
事業別の売上高は、鉄鋼がJFEスチール製鉄所システムリフレッシュで8億円増加して89億円、一般顧客が金融系大型案件の終了で2億円減少して65億円、基盤サービスが情報セキュリティサービスの好調などで5億円増加して20億円、子会社(JFEコムサービス)が機器単体販売事業の縮小で1億円減少して18億円だった。
■18年3月期7期連続増収・営業増益予想で増額余地
今期(18年3月期)連結業績予想(6月13日に18年1月予定の本社移転に伴う特別損失計上で純利益を減額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比4.9%増の410億円、営業利益が4.0%増の23億80百万円、経常利益が4.5%増の24億円、純利益が22.5%減の9億80百万円としている。
純利益は本社移転に伴う特別損失計上という一過性要因で減益予想だが、JFEスチール製鉄所システムリフレッシュ関連が増加し、販管費の増加を吸収して7期連続増収・営業増益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(期末一括)としている。予想配当性向は35.3%となる。
通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が46.8%、営業利益が51.5%、経常利益が51.4%、純利益が32.2%である。第2四半期累計は下期予定の高採算案件の前倒しも寄与したが、第4四半期の構成比が高い収益特性を考慮すれば、通期予想に増額余地がありそうだ。
■株価は年初来高値に接近、上げ足速める可能性
株価は10月31日に2624円まで上伸し、7月と8月の年初来高値2650円に接近している。02年来の高値圏である。
10月31日の終値2580円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS124円80銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1550円23銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約203億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。年初来高値を突破すれば、高値圏ボックスから上放れの形となって、上げ足を速める可能性がありそうだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)