【業績でみる株価】日本ドライケミカルは18年3月期2Q累計を減額だが、通期は据え置いて増収増益予想

 日本ドライケミカル<1909>(東1)は防災設備の大手で、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器・消火設備、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売などを展開している。工事進捗遅れで18年3月期第2四半期累計予想を減額修正したが、受注が好調であり、通期は据え置いて増収増益予想である。株価は戻り高値圏でのモミ合いから上放れが期待される。

■防災設備の大手

 防災設備の大手である。建築防災設備、プラント防災設備、船舶防災設備など各種防災設備の設計・施工・保守点検、および消火器・消火設備、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売、防災関連用品の仕入・販売を展開している。

 16年2月に資本業務提携した綜合警備保障(ALSOK)<2331>が筆頭株主である。なお収益面では、大型工事案件の進捗によって変動しやすく、設備投資関連のため第4四半期(1~3月)の構成比が高い特性がある。

 10月24日には、アルミニウム製消火器用部材(容器およびキャップ)を製造する韓国SHM社を子会社化すると発表した。消火器製品群のさらなる拡充を図る。

■18年3月期2Q累計を減額だが通期は据え置いて増収増益予想

 18年3月期連結業績予想は、売上高が17年3月期比8.0%増の334億円、営業利益が11.0%増の14億08百万円、経常利益が9.2%増の14億06百万円、純利益が38.9%増の12億04百万円としている。配当予想は17年3月期と同額の年間60円(第2四半期末25円、期末35円)としている。

 10月27日に第2四半期累計(4~9月)予想を減額修正した。工事期間の長い大型案件の進捗が遅れたため、売上高を3億66百万円減額し、各利益は赤字予想とした。ただし防災設備事業において、都市再開発等の大型案件やリニューアル案件にかかる受注は好調に推移し、受注残高は増加している。このため通期予想は据え置いた。通期ベースでは好業績が期待される。

■株価はモミ合い上放れ期待

 株価は戻り高値圏2400円近辺でモミ合う形だ。第2四半期累計予想減額修正に対するネガティブ反応は見られず、10月30日には2480円まで上伸して3月の年初来高値2501円に接近する場面があった。11月1日の終値は2442円、今期予想連結PERは7~8倍近辺、時価総額は約88億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。モミ合い上放れが期待される。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る