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巴工業は目先的な過熱感解消して上値試す、18年10月期も収益拡大期待
- 2017/11/6 07:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は遠心分離機械などの機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などの化学工業製品販売事業を展開している。17年10月期は増額修正して増収増益予想となった。18年10月期も収益拡大が期待される。株価は06年来の高値圏から一旦反落したが、目先的な過熱感が解消して上値を試す展開が期待される。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱として、中国・深圳ではコンパウンド加工事業も展開している。
16年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、地域別売上構成比は日本82%、アジア14%、その他5%だった。収益面では機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■17年10月期増収増益予想、18年10月期も収益拡大期待
前期(17年10月期)連結業績予想(9月19日に増額修正)は売上高が前々期(16年10月期)比4.1%増の408億円、営業利益が9.6%増の21億60百万円、経常利益が22.5%増の21億80百万円、純利益が56.0%増の15億10百万円としている。配当予想は前々期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)で予想配当性向は29.7%である。
機械製造販売事業において海外向け大型案件の販売が寄与する。化学工業製品販売事業においても、工業材料分野の住宅・建設用途向け材料、電子材料分野の半導体製造用途向け商材が伸長する。今期(18年10月期)も収益拡大が期待される。
■株主優待制度は10月末に実施、ワインを贈呈
株主優待制度は毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容はワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は目先的な過熱感解消して上値試す
株価は06年来高値圏2300円近辺から一旦反落した。10月末の配当・株主優待の権利落ちも影響したようだ。ただし自律調整の範囲だろう。
11月2日の終値2161円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS151円33銭で算出)は14~15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.1%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2522円81銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約228億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)