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キーコーヒーは新たな事業領域開拓を積極推進、売り一巡で出直り期待
- 2017/11/7 07:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
キーコーヒー<2594>(東1)は業務用・家庭用レギュラーコーヒー大手で、パッケージカフェ「KEYS CAFE」など事業領域拡大戦略を積極推進している。18年3月期第2四半期累計が大幅減益となり、通期予想も減額修正した。株価は減額修正を嫌気した売り一巡感を強めている。
■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開
コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒー)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。17年3月期セグメント別売上高構成比は、コーヒー関連事業87%、飲食関連事業8%、その他(ニック食品、honu加藤珈琲店など)6%だった。
中期成長に向けて「ブランド強化」「収益力強化」「グループ連携強化」を3つの柱に掲げ、新商品の開発・投入、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の多店舗展開など新たな事業領域開拓を積極推進している。
■18年3月期2Q累計は大幅減益
10月30日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計(4~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.9%減の320億25百万円、営業利益が64.7%減の4億64百万円、経常利益が58.8%減の5億85百万円、純利益が53.2%減の4億22百万円だった。
原料用市場における販売数量の減少などで売上高が計画を下回った。また家庭用紅茶製品販売開始(17年3月)に伴う物流コストの上昇、売上拡大に向けた販売活動費の投入なども影響して大幅減益だった。売上総利益は6.5%減少し、売上総利益率は26.5%で1.6ポイント低下した。販管費は3.4%増加し、販管費比率は25.0%で1.0ポイント上昇した。
コーヒー関連事業は売上高が1.2%減の276億60百万円で、営業利益(連結調整前)が60.3%減の5億86百万円だった。販売数量は家庭用市場が増加、業務用市場が前年並み、原料用市場が減少した。利益面では売上拡大に向けた販売活動費の投入も影響した。パッケージカフェ「KEYS CAFE」は8店舗出店し、期末導入店舗数は51店舗となった。
飲食関連事業は、売上高が2.0%減の23億69百万円で、営業利益が7百万円(前年同期は41百万円の赤字)だった。イタリアントマトは不採算店閉鎖を進め、期末店舗数は241店舗(直営店55店舗、FC店186店舗)となった。その他事業は売上高が5.2%増の19億96百万円で、営業利益が29.8%減の1億34百万円だった。
■18年3月期通期予想を減額修正
今期(18年3月期)通期の連結業績予想は、10月30日に減額修正した。前回予想(5月12日公表)に対して、売上高は30億円減額して前期(17年3月期)比3.2%増の650億円、営業利益は7億70百万円減額して43.4%減の7億80百万円、経常利益は8億10百万円減額して38.4%減の9億60百万円、純利益は6億70百万円減額して55.9%減の5億円とした。売上高は下期計画を達成する見込みだが、販売活動費の投下や遊休資産の整理を進める。
なお配当予想は据え置いて前期と同額の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)としている。予想配当性向は80.0%となる。
■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施
株主優待制度は毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対して1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対して3000円相当、1000株以上所有株主に対して5000円相当を贈呈する。
■株価は減額修正を嫌気した売り一巡
株価は減額修正を嫌気する形で11月2日に2110円まで調整した。ただし2月の年初来安値2072円まで下押すことなく、6日には切り返しの動きとなり、売り一巡感を強めている。
11月6日の終値2134円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS22円49銭で算出)は95倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1591円39銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約484億円である。
週足チャートで見ると2200円近辺でのモミ合いから下放れの形となったが、売り一巡して出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)