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インフォコムは高値圏で堅調、18年3月期2Q累計が計画超で通期利益・配当予想を増額修正
- 2017/11/8 06:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォコム<4348>(JQ)はITサービスや電子コミック配信サービスを主力としてIoT領域の事業創出も積極推進している。18年3月期第2四半期累計が計画超の大幅増益となり、通期の利益・配当予想を増額修正した。株価は上場来高値圏で堅調だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、ERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安全確認サービスなどのサービスビジネス事業)、および一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス、eコマース、女性向けや音楽系デジタルコンテンツの提供)を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比はITサービス54%、ネットビジネス46%、営業利益構成比(連結調整前)はITサービス42%、ネットビジネス58%だった。収益面では、ITサービス事業は年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
■新中期経営計画で成長加速
17年2月策定の新中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では、基本方針を「成長の追求」と「成長を支える経営基盤の継続強化」としている。
成長の追求では電子コミックとヘルスケアを重点事業としてM&Aを積極推進し、AIやIoTを活用したビジネス展開も推進する。成長を支える経営基盤の継続強化では品質管理の継続強化とサービス品質向上、業務プロセス改革による効率化と社会との協業強化、人財育成強化を推進する。
経営目標数値には、20年3月期売上高600億円~800億円(SI・サービス160億円、ヘルスケア140億円、電子コミック300億円、およびM&A200億円)、EBITDA(営業利益+償却費)70億円~100億円、重点事業(電子コミックとヘルスケア)比率70%、ROE10%以上、配当性向30%を掲げ、M&A戦略投資枠200億円を掲げている。
電子コミック事業は最新IT技術による機能強化や、導線強化による会員数拡大を推進する。ヘルスケア事業は地域包括・介護領域の強化を推進する。
■18年3月期2Q累計は計画超の大幅増益
10月26日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計(4~9月)の連結業績(10月19日に増額修正)は、売上高が前年同期比9.7%増の212億03百万円、営業利益が46.9%増の23億65百万円、経常利益が62.3%増の26億34百万円、純利益が2.5倍の25億74百万円だった。
ITサービスのヘルシケア事業、ネットビジネスの電子コミック配信サービスが好調に推移し、増収効果や効率化で計画超の大幅増益だった。売上総利益は11.7%増加し、売上総利益率は47.5%で0.9ポイント上昇した。販管費は4.0%増加したが、販管費比率は36.3%で2.0ポイント低下した。経常利益と純利益はデータセンター売却が最小限の費用で完了したことも寄与した。特別利益では固定資産売却益11億38百万円を計上した。
ITサービスは売上高が7.3%増の105億53百万円で、営業利益(連結調整前)が73.0%増の6億30百万円だった。ヘルスケア事業が好調に推移し、データセンター関連ビジネスの減収をカバーした。ネットビジネスは売上高が12.1%増の106億49百万円で、営業利益が38.9%増の17億29百万円だった。電子コミック配信サービスが好調に推移した。
■18年3月期利益・配当予想を増額修正
今期(18年3月期)の利益予想および配当予想を10月26日に増額修正した。連結業績予想は、売上高を据え置いて前期(17年3月期)比10.1%増の460億円、営業利益を3億円増額して%増の56億円、経常利益を5億円増額して%増の58億円、純利益を5億円増額して%増の45億円とした。配当予想は期末3円増額して年間38円(第2四半期末10円、期末28円)とした。前期比では13円増配となる。予想配当性向は23.1%となる。
ITサービスはヘルスケア事業が好調に推移して、売上高が4.9%増の235億円、新規ビジネスへの先行投資負担を吸収して営業利益が5.5%増の21億円としている。ネットビジネスは電子コミック配信サービスが伸長して売上高が16.3%増の225億円、営業利益が25.0%増の35億円(期初計画比3億円増額)としている。電子コミック配信サービスの売上高目標は210億円としている。
修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が46.1%、営業利益が42.2%、経常利益が45.4%、純利益が57.2%である。ITサービスは第4四半期の構成比が高い特性があり、通期ベースでも好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として、連結子会社ドゥマンが運営する食品通信販売サイト「オーガニックサイバーストア」で利用可能なポイント(1ポイントを1円として利用)を保有株数と保有年数に応じて贈呈する。
■株価は高値圏で堅調、好業績評価して上値試す
株価は上場来高値圏で堅調に推移している。10月31日には2935円まで上伸した。好業績を評価する流れに変化はないようだ。
11月7日の終値2778円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS164円56銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS861円50銭で算出)は3.2倍近辺である。時価総額は約800億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)