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建設技術研究所は調整一巡して戻り歩調、17年12月期は減益予想だが18年12月期の収益拡大期待
- 2017/11/10 07:52
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタントの大手である。中期ビジョンでマルチインフラ&グローバル企業を目指している。17年12月期は英Waterman Group Plcの連結子会社化に伴う諸費用発生で減益予想だが、18年12月期はM&Aも寄与して収益拡大が期待される。株価は調整一巡して戻り歩調だ。
■総合建設コンサルタントの大手
総合建設コンサルタント大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。収益面では案件ごとの採算性や売上計上時期によって四半期収益は変動しやすい特性がある。
中期的に事業環境は良好である。建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、国土強靭化基本計画に沿って社会資本整備に対する計画的な投資が実行される。
中長期ビジョン「CLAVIS2025」目標(25年単体受注高400億円、連結受注高600億円)達成に向けて、中期経営計画2018では目標値として18年単体受注高350億円、連結受注高470億円、単体営業利益率7.0%(営業利益24億円)、連結営業利益率6.5%(営業利益30億円)を掲げている。そして英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化した。
■17年12月期3Q累計はM&A諸費用発生で減益
11月8日発表した今期(17年12月期)第3四半期累計(1~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比11.2%増の348億40百万円だったが、M&A関連諸費用の発生で営業利益が12.3%減の14億91百万円、経常利益が8.0%減の15億38百万円、純利益が13.7%減の9億30百万円だった。なお英Waterman Group Plcを第3四半期(7~9月)から新規連結した。グループ全体の受注高は18.0%増の407億91百万円だった。
売上総利益は11.5%増加し、売上総利益率は26.6%で0.8ポイント上昇した。販管費は21.6%増加し、販管費比率は22.3%で1.9ポイント上昇した。営業外では為替差損が減少した。
■17年12月期減益予想だが18年12月期収益拡大期待
今期(17年12月期)の連結業績予想(8月7日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比19.0%増の500億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.4%減の24億円、そして純利益が6.7%減の13億50百万円としている。受注高は3.6%増の440億円の計画としている。配当予想は前期と同額の年間20円(期末一括)で予想配当性向は20.9%となる。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が69.7%、営業利益が64.8%、経常利益が64.1%、純利益が68.9%である。今期(17年12月期)はM&A関連諸費用の発生で減益予想だが、一過性要因であり、来期(18年12月期)は英Waterman Group Plcが通期寄与して収益拡大が期待される。
■株価は調整一巡して戻り歩調
株価は9月6日の直近安値983円から切り返して11月6日の1097円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。
11月9日の終値1085円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円47銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1746円31銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約154億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)