【アナリスト水田雅展の銘柄分析】イワキは下値固め完了、15年10月期業績増額余地や低PBRを評価して出直り

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

医薬品・医薬品原料商社のイワキ<8095>(東1)の株価は、12月中旬~1月中旬の直近安値圏210円台から切り返しの動きを強めています。下値固めが完了したようです。今期(15年11月期)業績見通しの増額余地や0.4倍近辺の低PBRを評価して出直り展開が期待されます。

1914年創業の医薬品商社で、医薬品事業(医療用・一般用・動物用医薬品の製造・販売、調剤薬局経営)、医薬品原料・香粧品原料事業(医薬品・香粧品原料の製造・販売、化粧品OEM製造)、化成品事業(電子工業用薬品・表面処理用薬品・化成品の製造・販売)、食品原料・機能性食品事業(食品原料の製造・販売、サプリメントOEM製造)、その他事業(医療機器の販売、化粧品の製造・販売)を展開しています。

全国の医薬品卸・医療機関・ドラッグストアなどに医薬品や機能性食品などを供給する卸売機能、国内外のメーカーなどを開拓して輸出入する商社機能、グループ内に岩城製薬(ジェネリック医薬品・医薬品原料、医療機関向け化粧品など)やメルテックス(表面処理薬品など)というメーカー機能を併せ持つことが強みで、卸売・商社・メーカー機能の連携を強化しています。

中期的な事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業での共同開発・受託品の拡大、ドラッグストア向けPB商品など自社企画商品の開発強化、医薬品原料事業での市場シェア拡大、インド・グレンマーク社など海外サプライヤーとの連携強化、岩城製薬の生産能力増強と新製品開発、メルテックスの新製品拡販、海外(タイ、韓国、中国)展開強化、日立化成<4217>とのアライアンスによる拡販などを推進しています。

なお2月24日には、4月22日~24日に東京ビックサイトで開催される「CphI/ICSE/P-MEC JAPAN2015」(国際医薬品原料・中間体展他)に出展すると発表しています。ジェネリック原薬を中心に国内外の高品質な医薬原薬・中間体を紹介するとしています。

今期(15年11月期)の連結業績見通し(1月14日公表)は売上高が前期比2.1%減の530億円、営業利益が同1.1%増の9億円、経常利益が同2.2%減の9億50百万円、純利益が同18.7%増の6億円としています。配当予想は前期から記念配当1円50銭を落として年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としています。

円安進行に伴う輸入原材料価格の上昇などを考慮して今期業績は概ね横ばいの会社見通しですが、外皮用剤などのジェネリック医薬品、ジェネリック医薬品用原料、ドラッグストア向け自社企画PB商品、プリント配線板向け表面処理薬品などが好調に推移し、薬価改定の影響一巡、岩城製薬の生産能力増強、メルテックスの新製品拡販なども寄与して増額余地がありそうです。中期的にもジェネリック医薬品・原料関連市場の拡大が追い風となるでしょう。

株価の動きを見ると、12月中旬~1月中旬の直近安値圏210円台から切り返しの動きを強めています。2月18日には229円まで上伸する場面がありました。下値固めが完了したようです。

2月26日の終値222円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS17円77銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS514円70銭で算出)は0.4倍近辺です。

日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破しました。下値固めが完了し、今期業績見通し増額余地や0.4倍近辺の低PBRを評価して出直り展開が期待されます。

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