【編集長の視点】アスカネットは「ASKA3D」、「tsunagoo」などの内外展示会でのアピールを手掛かり反発

 アスカネット<2438>(東マ)は、前日14日に26円高の1650円と3営業日ぶりに反発して引けた。経営の「第3の柱」として確立を目指し、「ASKA3D」のブランドとして展開しているエアリアルイメージング事業が、内外の展示会で大きな反響を呼び、今年11月9日には、空中結像を可能にするAIプレートが、「変なホテル ハウステンボス」のフロントシステムに導入され、さらに主力のメモリアルデザインサービス(MDS)事業でも、業界初の新WEBサービス「tsunagoo」の展示・デモンストレーションを行っており、業績ステージが、先行投資期から寄与段階に入ってくるとの期待を高めて下げ過ぎ訂正買いが増勢となった。テクニカル的にも、今年9月のストップ高で開けた窓埋めを続けてきたが、値幅的にも日柄的にも一巡感を強めていることが買い手掛かりとなっている。

■等身大の女性のリアルな空中結像を実現の「3D-DELZO」には問い合わせ殺到

 同社の「ASKA3D」は、まず今年10月3日から6日まで幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2017」に出展され、サイネージ(電子看板)として出展した「3D-DELZO」は、等身大のリアルな女性の空中結像を描き出し、大きな驚きを起こし問い合わせも殺到した。また、同展に出展した樹脂製のAIプレートは、従来型のガラス製プレートよりもより量産型に近いとして注目を集めた。ついで今年10月8日から5日間の会期で開催された「GITEX 2017」には、中東・アフリカ18カ国で事業展開し、同エリアでトップクラスの総合通信キャリア企業のEtisalat(本部・アラブ首長国連合)とコラボレーションして、「ASKA3D-Plate」を使用したシステムを展示し、中東、アフリカ、アジアでのビジネス展開を積極化する。なお「変なホテル」に導入されたフロントシステムは、AIプレートとセンサーを融合して空中に浮かび上がった画像をタッチパネルのようにボタンで操作することを可能としており、「変なホテル」が世界初のロボットホテルとしてギネスの世界記録として認定されているなど話題を集めているだけに、より株価訴求力を強めそうだ。

 主力のMDS事業では、今年11月8日から10日までインテックス大阪で開催された「関西エンディング産業展 2017」に特許出願中で業界初のWEBサービス「tsunagoo」を出展した。同サービスは、遺族から会葬者への訃報をスマートフォンで配信するとともに、共有画面から供物や供花の発注を可能とするもので、遺影写真製作サービスで年間33万件の高実績を誇る同事業と相乗し事業内容がさらに多彩化する。

 業績は、今2018年4月期業績が、この「ASKA3D」の海外・国内展示会への出展費用や量産化技術の開発費用が増加することなどから、売り上げ56億9600万円(前期比4.7%増)、営業利益7億7100万円(同3.7%減)、経常利益7億7600万円(同3.6%減)、純利益5億4100万円(同5.5%減)と予想、前期の過去最高からは小幅減益転換する。今期は、先行投資期間となるものの、内外での「ASKA3D」の積極的なアピール効果で、早期に収益寄与段階入りする可能性も高まる。

■ストップ高後の窓埋めの値幅・日柄調整が一巡し再度の急騰場面到来が近い

 株価は、樹脂製AIプレートの開発報道を受けてストップ高し窓を開けて2130円高値まで5割高し、この窓埋めに向けを急騰幅の半値押し水準で値固め継続、長大下ヒゲを1500円台まで伸ばして下値を確認して反発、値幅調整一巡感を強めた。また、日柄的にも、直近高値から2カ月超を経過して目先調整一巡を示唆している。同社株は、今年1月も2日連続してストップ高するなど急騰特性には定評のあるところで、特別空売り料のつく信用好需給も加わって、再度の急騰場面到来が想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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