【業績でみる株価】スマートバリューは18年6月期1Q黒字化で通期大幅増益予想、12月末基準日で株式2分割

 スマートバリュー<9417>(JQ)は、データセンターからサービス運営まで垂直統合型クラウドサービスを提供するクラウドソリューション事業、およびドコモショップを運営するモバイル事業を展開している。18年6月期第1四半期は黒字化した。通期も大幅増益予想である。また17年12月31日基準日(18年1月1日効力発生日)として1株を2株に分割する。株価は水準を切り上げて戻り歩調だ。

■クラウドソリューション事業とモバイル事業を展開

 データセンターからサービス運営まで垂直統合型クラウドサービスを提供するクラウドソリューション事業、およびドコモショップを運営するモバイル事業を展開している。17年6月期の事業別売上高構成比は、クラウドソリューション事業40%、モバイル事業60%だった。

 クラウドソリューション事業は、都市型データセンターを基盤として自治体・公的機関等の特定業種業務向けSaaSを提供する地域情報クラウド、都市型データセンターにおいてクラウド基盤サービスを提供するクラウドプラットフォーム、車載分野で安全運転支援機器の販売をベースにモビリティ・クラウドソリューションへの展開を図るモビリティ・サービスを展開している。モバイル事業は、一次代理店である兼松コミュニケーションズからの再委託により、大阪府でドコモショップ6店舗を運営している。

 17年10月にはマーソ(東京都)から、法人企業向け従業員健康管理支援サービス事業を譲り受けると発表した。事業譲渡日は17年12月31日予定である。ヘルスケア市場に参入し、予防健康管理分野において、健康増進・予防医療に資するサービスを展開する。

■18年6月期1Qは黒字化、通期も大幅増益予想

 11月14日発表した18年6月期第1四半期(7~9月)の非連結業績は、売上高が前年同期比4.2%増の15億52百万円で、営業利益が32百万円(前年同期は26百万円の赤字)、経常利益が32百万円(同25百万円の赤字)、純利益が1億06百万円(同18百万円の赤字)だった。増収効果などで黒字化した。

 クラウドソリューション事業は30.0%増収と好調に推移し、原価削減も寄与して5.5倍増益と収益改善した。モバイル事業は9.3%減収だったが、経費削減などで53.7%増益だった。なお事業構造改革の一環としてデータセンター事業の戦略見直しを行い、データセンターファシリティ譲渡による固定資産売却益3億42百万円を特別利益に計上した。また事業再編引当金繰入額1億50百万円を特別損失に計上した。

 通期予想は売上高が17年6月期比11.6%増の72億97百万円、営業利益が34.1%増の3億68百万円、経常利益が34.5%増の3億71百万円、純利益が2.1倍の3億76百万円としている。

 なお11月14日に株式分割を発表した。17年12月31日基準日(18年1月1日効力発生日)として1株を2株に分割する。これに伴って18年6月期の配当予想を従来の年間12円50銭(期末一括)から6円25銭に修正した。実質的な変更はない。

■株価は戻り歩調で年初来高値に接近、収益改善を評価して上値試す

 株価は水準を切り上げて戻り歩調だ。11月14日には2478円まで上伸し、3月の年初来高値2684円に接近している。11月14日の終値は2451円、今期予想PERは28倍近辺、時価総額は約55億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。収益改善を評価して上値を試す展開が期待される。(MM)

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