日本カーリットと東レリサーチセンターがリチウムイオン電池の関連業務で提携
- 2017/11/21 09:00
- IR企業情報
写真=日本カーリット赤城工場のEREF(危険性評価複合施設)
■試験や解析をワンストップで行える総合受託評価体制を発表
カーリットホールディングス<4275>(東1)は20日、同社の主要子会社の日本カーリット(東京・中央「JCC」)と東レリサーチセンター(東京・中央「TRC」)がリチウムイオン電池に関連する業務委託で提携すると発表した。昨今、世界的にEV(電気自動車)化が加速する中で車載用電池の評価試験が増加してきているため。
JCCは産業用爆薬、発炎筒、ロケット固体推進薬原料などのメーカーで、来年創業100周年を迎える。同社は赤城工場内(群馬県渋川市)に危険性評価試験所を、群馬工場内には電池試験場(同渋川市)を有している。
危険性評価試験所では顧客企業が開発した化学物質の消防法危険物確認試験、国連勧告クラス分け試験などのほか、自動車などの大型製品の実規模スケールにおける発火、爆発試験などが対応可能で、幅広い危険性評価試験を受託している。
一方、TRCでは、特に、繊維・フィルムに用いられる各種ポリマーや、炭素材料に関して、高度な分析技術と世界第一級の解析力を有している。リチウムイオン電池(LIB)についても、1990年前後に劣化メカニズム解析に着手し、以来、分析技術の向上と知見の集積に努めている。
これまでJCCは危険性を伴う化学物質の評価試験及び電池の評価試験の受託を行っているが、分析・解析を伴う試験については受託できなかった。一方、TRCでは高度な分析技術を用いた分析・解析の試験の受注を行っているが、危険性を伴う試験については機会を損失していた。
今回、JCCとTRCはこれらの課題を解決するために業務提携をし、川上(充放電・安全性)からか川下(分析・解析)までの試験をワンストップで行える総合受託評価体制を構築。既存顧客への展開や新規顧客の開拓を目指す。