【編集長の視点】アルトナーは東証2部変更来高値に肉薄、2Q上ぶれ業績をテコに3Q決算に期待を高めテーマ株買いもオン

 アルトナー<2163>(東2)は、祝日前の22日に13円高の1699円と5営業日続伸して引け、取引時間中には1710円と買われ、11月9日につけた今年10月26日の東証第2部への市場変更以来の高値1732円に肉薄した。今年9月7日に開示した今2018年1月期第2四半期(2017年2月~7月期、2Q)累計決算が、期初予想を上ぶれて連続増収増益で着地したことを手掛かり、今年12月7日に発表予定の今期第3四半期(2017年2月~10月期、3Q)業績の高利益進捗率期待を高め買い増勢となった。自動運転やEV(電気自動車)関連のテーマ性内包の時流に乗る好業容や、高値追い場面で特別空売り料のつく信用好需給も、株価押し上げ効果を発揮すると見直されている。

■3Qの利益進捗率次第では連続過去最高の1月通期業績の上ぶれも

 同社の2Q累計業績は、前年同期比10.4%増収、22.2%営業増益、21.6%経常増益、28.6%純益増益と連続増収増益率を2ケタに伸ばして着地し、売り上げが期初予想より1億1400万円、利益が3900万円~5600万円それぞれ上ぶれた。また、1月通期予想業績対比の利益進捗率は、58~59%と目安の50%をオーバーした。技術者派遣事業の主要業界の輸送用機器・自動車業界では、先進安全自動車関連のシステム開発や、自動運転関連のIoT(モノのインターネット)などのインフラ整備などが急ピッチで、技術者不足が顕在化しており、この好事業環境下で、同社が、今年4月入社の新卒技術者119人を含めて期末技術者を前年同期比60人増の717人に拡充させ、この2Qの稼働率が92.2%、技術者単価も、同2.4%増の4067円と好調に推移、輸送用機器業界向けの売り上げが同20.0%増、情報・通信業界向けが同13.5%増と好調に推移したことなどが要因となった。

 このため、さらに3Q決算でのさらなる高利益進捗率とともに、今1月期通期業績の上ぶれ期待も高まっている。とくに今1月期通期業績は、新卒・キャリア採用による人件費負担増などから慎重に予想して期初予想を据え置き、売り上げ55億6800万円(前期比8.1%増)、営業利益6億2300万円(同12.8%増)、経常利益6億2600万円(同11.0%増)、純利益4億3100万円(同18.6%増)と見込んでいるだけに、3Q決算時点での上方修正期待も高まっている。なお、期初予想の1月通期純利益は、連続して過去最高を更新すると見込んでおり、今期配当も、年間26円(前期実績45円)と今年1月31日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)を勘案すると実質7円の連続増配を予定している。

■株式分割の権利落ち埋めから信用好需給もオンして年初来高値へキャッチアップ

 株価は、今年1月26日に1765円で株式分割の権利をスンナリ落とし、落ち後安値791円からは割り負け顕著として1679円高値まで買い直されて2.1倍化した。その後調整した1300円台下位の安値からは、第1四半期、第2四半期の好決算に反応して1500円台までリバウンド、東証第2部への市場変更承認後は、高値追いとなり1月末の株式分割の権利落ち埋め目前となった。信用好需給もフォローして権利落ち埋めの1765円抜けから、株式分割発表を歓迎してストップ高を交えてつけた今年1月の年初来高値1998円へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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