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サンセイランディックは17年12月期最高益更新・増配予想
- 2017/11/29 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
サンセイランディック<3277>(東1)は、一般的な不動産会社が手掛けにくい底地問題を解決する不動産権利調整ビジネスのスペシャリストである。17年12月期第3四半期累計は減収減益だったが、通期は最高益更新・増配予想である。株価は年初来高値圏から反落したが売り一巡感を強めている。老朽空き家対策関連、木造住宅密集地防災関連、さらに民泊関連としても注目される。
■「不動産の再生」をテーマとして不動産権利調整ビジネスを展開
「不動産の再生」をテーマとして、一般的な不動産会社が手掛けにくい権利関係が複雑な底地(借地権が付着している土地の所有権)や居抜き物件(借手のいる古い共同住宅など)の権利調整、買い取り販売、管理など「不動産権利調整ビジネス」を主力としている。子会社のOnes Life ホームは建築事業(デザイナーズ戸建注文住宅、リフォームなど)を展開している。
民泊関連への展開も推進し、17年6月には公認民泊予約サイト「STAY JAPAN」を提供する百戦錬磨(宮城県仙台市)と業務提携した。住宅宿泊事業法(民泊新法)の成立を受けて、公認民泊を利用した不動産の流動化・活用を目指す。
17年7月には、百戦錬磨、生活サポート付家賃保証会社あんど(千葉県船橋市)と3者共同で、日本初の試みである「高齢者や障害を持っている方への住まいに関する生活支援のための共同事業」を、千葉県船橋市で試験的に開始した。今後は全国への展開を視野に入れて地域密着型のネットワーク体制を構築する。
■17年12月期最高益更新・増配予想
今期(17年12月期)の連結業績予想(2月14日公表)は売上高が前期(16年12月期)比17.5%増の144億48百万円、営業利益が1.4%増の14億66百万円、経常利益が3.4%増の13億74百万円、純利益が8.9%増の9億29百万円としている。最高益更新予想である。また配当予想は3円増配の年間15円(期末一括)としている。予想配当性向は13.2%となる。
セグメント別売上高計画は、不動産販売事業が18.2%増の129億58百万円(底地が17.2%増の63億42百万円、居抜きが32.3%増の45億05百万円、所有権が3.1%減の17億35百万円、その他不動産が6.9%増の3億74百万円)で、建築事業が11.1%増の14億90百万円としている。
11月14日発表した第3四半期累計(1~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.5%減の77億68百万円、営業利益が15.2%減の5億63百万円、経常利益が11.1%減の5億02百万円、純利益が7.2%減の2億93百万円だった。
底地販売額が計画を下回り、前年同期との比較で減収減益だったが、各事業の利益率が想定超となり、経費圧縮効果も寄与して、各利益とも計画を上回った。なお不動産販売事業の売上高は4.3%減の70億05百万円(底地が16.8%減の29億55百万円、居抜きが34.8%増の29億81百万円など)だった。
第3四半期累計が減収減益となり、通期予想に対する進捗率も低水準の形だが、建築・不動産関連で四半期業績は変動しやすい収益特性がある。また不動産販売事業の仕入(80.0%増の81億64百万円)が計画を大幅に上回っており、第4四半期の販売に注力する方針だ。通期ベースでは好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年6月末に実施
株主優待制度は、毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有期間と株数に応じて、栃木県那須塩原市にあるパン・アキモトの「パンの缶詰」オリジナルセットを贈呈している。
■株価は年初来高値圏から反落したが売り一巡
株価は10月27日の年初来高値1000円から反落し、第3四半期累計業績を嫌気する形で11月15日に911円まで調整した。その後は徐々に下値を切り上げて売り一巡感を強めている。
11月28日の終値944円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円03銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS840円78銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約79億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。売り一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)