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アンジェスはHGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)を準備でき次第製造販売承認申請の予定
- 2017/11/29 07:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アンジェス<4563>(東マ)(アンジェスMGが7月1日付で商号変更)は、遺伝子治療薬、核酸医薬、DNAワクチンの開発を推進している。11月24日に開発プロジェクトの進捗状況をリリースした。重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は準備でき次第、再生医療等製品の製造販売承認申請を行う予定だ。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。
■HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)などの開発を重点推進
重点的に推進する開発プロジェクトは、重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬、椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNA、高血圧を対象とするDNAワクチンとしている。
重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は、大阪大学医学部附属病院の主導による先進医療B制度の下で実施された医師主導型臨床研究において、申請が可能となる結果を得ることができたため、準備でき次第、厚生労働省に対して再生医療等製品の製造販売承認申請を行う予定だ。なお販売に関しては、田辺三菱製薬と国内および米国における独占的販売契約を締結している。
椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNAは、17年4月に米食品医薬品局(FDA)から新薬臨床試験開始届け(IND)の承認を取得した。カリフォルニア州立大学サンディエゴ校など、米国数ヶ所の施設において第1b相臨床試験を実施する予定で、17年後半の投与開始を目指している。
なお17年9月には、尋常性乾癬(かんせん)を対象としたNF-kBデコイオリゴDNAに関する特許が欧州特許庁において登録されたと発表している。日本では既に12年5月に登録されている。
高血圧を対象としたDNAワクチンは、第1・2相臨床試験開始に向けて17年7月、オーストラリアの規制当局である薬品・医薬品行政局(TGA)に臨床試験届け(CTN)を提出した。その後TGAから事務的な手続に関する追加要求を受けたため、要求事項について対応を続けており、治験開始は18年となる見込みだ。
■17年12月期は赤字縮小予想
今期(17年12月期)の連結業績予想は、売上高が3億60百万円、営業利益が34億円の赤字、経常利益が34億円の赤字、純利益が34億円の赤字としている。前期との比較で赤字が縮小する見込みだ。
第3四半期累計は売上高が2億55百万円、営業利益が27億43百万円の赤字、経常利益が27億57百万円の赤字、純利益が33億59百万円の赤字だった。
なお資金調達については、17年9月に第31回新株予約権(リーディング証券に対する第三者割当方式、行使価額修正条項付、総数12万個=1200万株)を発行している。
■株価は調整一巡して反発期待
株価は7月の年初来高値884円から反落して上値を切り下げたが、11月22日の直近安値500円から反発の動きを強めている。11月28日には688円まで上伸する場面があった。
11月28日の終値は629円、時価総額は約495億円である。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復する動きを強めている。調整一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)