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- 【アナリスト水田雅展の銘柄診断】インタースペースは10~12月期営業減益を嫌気したが下値支持線に接近して反発のタイミング
【アナリスト水田雅展の銘柄診断】インタースペースは10~12月期営業減益を嫌気したが下値支持線に接近して反発のタイミング
- 2015/3/2 07:11
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネット広告やソーシャルアプリを展開するインタースペース<2122>(東マ)の株価は、第1四半期(10月~12月)の営業減益を嫌気する形で1000円~1100円近辺でのモミ合いから下放れ、2月23日に920円まで調整しました。ただし900円近辺が下値支持線の形であり、調整の最終局面と考えられます。売り一巡して反発のタイミングでしょう。
アフィリエイト(成果報酬)型のインターネット広告事業を主力として、コンテンツやソーシャルアプリなどのメディア運営事業も展開しています。
インターネット広告事業はアフィリエイトサービス「アクセストレード」を中心に事業展開し、携帯電話ショップをネットワーク化した店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も日本最大規模の店舗ネットワークに成長しています。
メディア運営事業では、日本最大級のママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」月間ユニークユーザー数が270万人を突破し、ソーシャルアプリは女性向け恋愛ゲーム「愛しのショコラティエ」や「プリンセス・クローゼット」などを主力としています。
中期経営目標数値として売上高250億円、営業利益15億円を目指し、重点戦略としてインターネット広告事業では国内アフィリエイトシェアの獲得と収益性向上、メディア運営事業では新規メディア立上げと収益化、海外事業では各国のメディアネットワーク確保などを推進する方針を掲げています。
アライアンス戦略を積極推進し、13年10月モバイル広告ネットワーク事業の米アーキと戦略的業務提携、11月O2Oマーケティングソリューション事業のモギーと資本業務提携、12月中国・上海の子会社ISUCが中国最大のアフィリエイトネットワーク「億起発(イーチーファー)」を提供するEMAR(イーマー)と業務提携しました。
また14年5月クーポン情報メディア「クーポンランド」運営のサイファに出資、7月クラウドソーシングサービス「ランサーズ」運営のランサーズと業務提携、8月スマートフォンアプリ向け動画広告配信ネットワーク「AppVador」運営のアップベイダーと資本提携、11月インドネシア大手ポータルサイト「detik.com」と業務提携、12月子会社のmore gamesがサイバーエージェント<4751>とネイティブアプリ版恋愛ゲームで事業提携しました。
14年12月には、ベトナム最大級のモバイル広告ネットワークを提供するMWORK社の第三者割当増資を引き受けて資本業務提携しました。合弁会社も設立してベトナム市場での事業展開を推進し、ベトナム最大のアフィリエイトネットワーク構築を目指すとしています。
なお2月26日にはゲームアプリ運営者向けに成果報酬型プレミアムメディアネットワーク「GAMEP(ガメップ)」の提供開始を発表しました。当社が提携しているPC・タブレット・スマートフォン向けネットワークを通じて、さまざまな付加価値サービスをゲームアプリ運営者に提供していくとしています。
2月10日に発表した今期(15年9月期)第1四半期(10月~12月)連結業績は、売上高が前年同期比22.5%増の42億53百万円、営業利益が同85.6%減の20百万円、経常利益が同81.9%減の26百万円、純利益が22百万円の赤字(前年同期は83百万円の黒字)となりました。
セグメント別売上動向を見ると、インターネット広告事業は主力のアフィリエイトサービス「アクセストレード」が堅調に推移して同28.6%増収となりましたが、メディア運営事業では「ママスタジアム」月間ユニークユーザー数が増加基調だったものの、恋愛ソーシャルゲームは12月リリースの新規タイトルが不調で同37.0%減収となりました。利益面では人件費や事業開発費の増加が影響して大幅減益となったようです。
通期の連結業績見通しは前回予想(11月11日公表)を据え置いて売上高が前期比13.2%増の190億円、営業利益が同15.5%減の6億60百万円、経常利益が同17.2%減の6億54百万円、純利益が同26.3%減の2億84百万円、そして配当予想が前期と同額の年間8円(期末一括)としています。
新サービス開発に向けた人材投資や海外展開などの先行投資負担で減益見通しとしています。ただしセグメント別売上高の計画はインターネット広告事業が同11.8%増収、メディア運営事業が同29.5%増収と好調に推移する見通しです。第2四半期(1月~3月)以降の利益挽回、そして来期(16年9月期)以降は先行投資の効果発現や海外事業の本格化などで収益拡大が期待されます。
株価の動きを見ると、第1四半期の大幅営業減益を嫌気する形で1000円~1100円近辺でのモミ合いから下放れ、2月23日には920円まで調整しました。ただし14年11月安値911円に接近して下げ渋る動きです。売り一巡した可能性があるでしょう。
2月27日の終値926円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円96銭で算出)は22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は0.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS406円20銭で算出)は2.3倍近辺です。
週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形で水準を切り下げました。ただし900円近辺が下値支持線の形であり、調整の最終局面と考えられます。売り一巡して反発のタイミングでしょう。