ソーバルは日柄調整完了、18年2月期2桁営業増益・連続増配予想

 ソーバル<2186>(JQ)は組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開している。需要が高水準であり、18年2月期2桁営業増益・連続増配予想である。株価は日柄調整完了感を強めている。好業績を再評価して上値を試す展開が期待される。なお12月28日に第3四半期累計決算発表を予定している。

■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開

 組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。

 技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ国内有数の独立系組み込みソフト開発企業である。M&Aも活用して顧客や分野の多様化、IoTなど新規技術分野の開拓、人材の確保を推進している。17年4月にはユビキタス社からIoTプラットフォーム関連のサービス&ソリューション事業を譲り受けた。

 優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築している。17年2月期の主要顧客別売上高構成比は、キヤノン<7751>グループ52.2%、ソニー<6758>グループ12.7%、富士通<6702>グループ8.5%、リクルート<6098>グループ3.3%NTT<9432>グループ2.8%、その他23.8%だった。また17年2月期の取引社数は16年2月期比7社増加の159社となった。日立グループとの取引を開始して自動車関連への展開を加速している。

 製造業では技術者不足が深刻化しているため、新製品開発関連などで優秀な技術者に対するニーズが一段と高まっている。人材やパートナー企業の確保が課題だが、受注環境は中期的にも良好である。

■18年2月期は2桁営業増益予想・連続増配予想

 今期(18年2月期)の連結業績予想(4月12日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比2.6%増の81億20百万円、営業利益が15.5%増の5億70百万円、経常利益が13.8%増の5億69百万円、純利益が9.6%増の3億81百万円としている。

 拡大余地のある既存顧客からの受注拡大、請負(受託開発)案件の獲得、新規(技術・業種)分野の顧客開拓を推進する。コスト面では人材配置転換コストの削減、プロジェクト管理徹底による不採算プロジェクトの排除などで、利益水準の向上を推進する。

 第2四半期累計(3~8月)は、売上高が前年同期比1.3%増の40億60百万円、営業利益が5.4%増の2億65百万円、経常利益が9.2%増の2億68百万円、純利益が4.7%増の1億81百万円だった。計画を上回る増収増益だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が46.7%、経常利益が47.1%、純利益が47.7%と順調である。通期でも好業績が期待される。

 配当予想(7月21日に増額修正)は、第2四半期末24円、期末12円としている。17年9月1日付株式2分割後に換算すると年間24円で、前期の年間21円に対して3円増配となる。予想配当性向は51.4%である。

■株主優待制度は毎年8月末に実施

 株主優待制度は毎年8月31日現在で1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。17年9月1日付株式2分割に伴い、17年8月末は従来どおりだが、18年8月末以降は1単元(100株)以上~10単元(1000株)未満保有株主に対して500円相当QUOカード、10単元以上保有株主に対して2000円相当QUOカードを贈呈する。

■株価は日柄調整完了感、好業績を再評価して上値試す

 株価(17年9月1日付で株式2分割)は1000円近辺でモミ合う形だが、急伸した7月高値後の日柄調整完了感を強めている。

 12月4日の終値1005円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS46円66銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS339円89銭で算出)は3.0倍近辺である。時価総額は約82億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が接近して切り返しの動きを強めている。日柄調整が完了し、好業績を再評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る