ソフトクリエイトホールディングスは高値圏で堅調、18年3月期増収増益予想で増額の可能性

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)は、ECサイト構築ソフトや不正接続防止製品を主力としてソリューション事業を展開している。18年3月期増収増益予想である。そして増額の可能性がありそうだ。株価は上場来高値圏で堅調だ。自律調整一巡し、好業績や自己株式取得を評価して上値を試す展開が期待される。

■ECサイト構築ソフトと不正接続防止製品で首位

 ECソリューション事業(ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・保守から、ECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発)および物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

 ECサイト構築実績は中堅・大手企業向け中心に国内首位である。またECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。SI事業ではセキュリティ製品「L2Blocker」が、不正接続防止ツール市場における累計導入社数で第1位を獲得している。

 17年3月期のセグメント別売上構成比はECソリューション事業47%、システムインテグレーション事業24%、物品販売事業29%だった。連結子会社はソフトクリエイト、ecbeing、およびエイトレッド<3969>である。17年11月にはソフトクリエイトが、監視システム開発やシステムコンサルティングなどを展開するY2Sと、業務提携および資本提携すると発表した。Y2Sは持分法適用関連会社となる。

■18年3月期予想は増額の可能性

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月9日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.8%増の152億08百万円、営業利益が3.8%増の16億03百万円、経常利益が3.3%増の16億73百万円、純利益が1.9%増の10億29百万円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で予想配当性向は26.6%となる。

 第2四半期累計(4~9月)は売上高が前年同期比10.2%増の72億37百万円、営業利益が4.4%増の8億06百万円、経常利益が12.0%増の9億15百万円、純利益が14.2%増の6億09百万円だった。

 主力のECソリューション事業が順調に拡大した。セキュリティビジネスや独自サービス「SCクラウド」も拡大し、人材投資費用の増加などを吸収した。売上総利益率は31.3%で横ばい、販管費比率は20.1%で0.5ポイント上昇した。営業外では為替差損益が改善した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.6%、営業利益が50.3%、経常利益が54.7%、純利益が59.2%である。第4四半期の構成比が高い収益特性を考慮すれば、通期予想は増額の可能性がありそうだ。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施

 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は保有株数および保有期間に応じてオリジナルQUOカードを贈呈する。

■株価は上場来高値圏で堅調、好業績評価して上値試す

 11月24日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限10万株、取得価額総数の上限1億70百万円、取得期間17年11月27日~18年1月31日としている。

 株価は10月の上場来高値1667円から利益確定売りで一旦反落したが、大きく下押すことなく高値圏で堅調に推移している。自律調整の範囲だろう。

 12月4日の終値1568円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75円26銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS586円34銭で算出)は2.7倍近辺である。時価総額は約216億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整一巡し、好業績や自己株式取得を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る