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建設技術研究所は戻り歩調で年初来高値に接近、17年12月期減益予想だが18年12月期収益拡大期待
- 2017/12/5 07:09
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタントの大手である。中期ビジョンでマルチインフラ&グローバル企業を目指している。17年12月期は英Waterman Group Plcの連結子会社化に伴う諸費用発生で減益予想だが、18年12月期はM&Aも寄与して収益拡大が期待される。株価は17年12月期減益予想の織り込みが完了して戻り歩調だ。そして5月の年初来高値に接近している。
■総合建設コンサルタントの大手
総合建設コンサルタント大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。収益面では案件ごとの採算性や売上計上時期によって四半期収益は変動しやすい特性がある。
中長期ビジョン「CLAVIS2025」目標(25年単体受注高400億円、連結受注高600億円)達成に向けて、中期経営計画2018では目標値として18年単体受注高350億円、連結受注高470億円、単体営業利益率7.0%(営業利益24億円)、連結営業利益率6.5%(営業利益30億円)を掲げている。そして英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化した。
17年9月にはアイサンテクノロジー<4667>およびティアフォーと3社で、高度インフラ情報を活用した自動運転用3次元地図の共同研究を開始することで基本合意している。
■17年12月期減益予想だが18年12月期収益拡大期待
今期(17年12月期)の連結業績予想(8月7日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比19.0%増の500億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.4%減の24億円、そして純利益が6.7%減の13億50百万円としている。受注高は3.6%増の440億円の計画としている。配当予想は前期と同額の年間20円(期末一括)で予想配当性向は20.9%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.2%増の348億40百万円だが、M&A関連諸費用の発生で営業利益が12.3%減の14億91百万円、経常利益が8.0%減の15億38百万円、純利益が13.7%減の9億30百万円だった。英Waterman Group Plcを第3四半期(7~9月)から新規連結した。グループ全体の受注高は18.0%増の407億91百万円だった。売上総利益率は26.6%で0.8ポイント上昇、販管費比率は22.3%で1.9ポイント上昇した。営業外では為替差損が減少した。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が69.7%、営業利益が64.8%、経常利益が64.1%、純利益が68.9%である。今期(17年12月期)はM&A関連諸費用の発生で減益予想だが、来期(18年12月期)は英Waterman Group Plcが通期寄与して収益拡大が期待される。
■株価は戻り歩調で年初来高値に接近
株価は9月安値983円から切り返し、12月4日には1148円まで上伸した。17年12月期減益予想の織り込みが完了して戻り歩調だ。そして5月の年初来高値1197円に接近している。
12月4日の終値1142円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS95円47銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1746円31銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約162億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。また13週移動平均線が上向きに転じた。基調転換を確認した形だ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)