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キーコーヒーは18年3月期減益予想の織り込み完了感
- 2017/12/6 06:45
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
キーコーヒー<2594>(東1)は業務用・家庭用レギュラーコーヒー大手で、パッケージカフェ「KEYS CAFE」など事業領域拡大戦略を積極推進している。18年3月期は減額修正して減益予想となったが、株価は減益予想の織り込み完了感を強めている。
■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開
コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒー)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。17年3月期セグメント別売上高構成比は、コーヒー関連事業87%、飲食関連事業8%、その他(ニック食品、honu加藤珈琲店など)6%だった。
中期成長に向けて「ブランド強化」「収益力強化」「グループ連携強化」を3つの柱に掲げ、新商品の開発・投入、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の多店舗展開など新たな事業領域開拓を積極推進している。
■18年3月期2Q累計は大幅減益
今期(18年3月期)第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比0.9%減の320億25百万円となり、営業利益が64.7%減の4億64百万円、経常利益が58.8%減の5億85百万円、純利益が53.2%減の4億22百万円だった。
原料用市場における販売数量の減少などで売上高が計画を下回り、家庭用紅茶製品販売開始(17年3月)に伴う物流コストの上昇、売上拡大に向けた販売活動費の投入も影響して大幅減益だった。売上総利益率は26.5%で1.6ポイント低下、販管費比率は25.0%で1.0ポイント上昇した。
コーヒー関連事業は売上高が1.2%減の276億60百万円で、営業利益(連結調整前)が60.3%減の5億86百万円だった。販売数量は家庭用市場が増加、業務用市場が前年並み、原料用市場が減少した。利益面では売上拡大に向けた販売活動費の投入も影響した。パッケージカフェ「KEYS CAFE」は8店舗出店し、期末導入店舗数は51店舗となった。
飲食関連事業は、売上高が2.0%減の23億69百万円で、営業利益が7百万円(前年同期は41百万円の赤字)だった。イタリアントマトは不採算店閉鎖を進め、期末店舗数は241店舗(直営店55店舗、FC店186店舗)となった。その他事業は売上高が5.2%増の19億96百万円で、営業利益が29.8%減の1億34百万円だった。
■18年3月期通期は減額して減益予想
今期(18年3月期)通期の連結業績予想(10月30日に減額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比3.2%増の650億円、営業利益が43.4%減の7億80百万円、経常利益が38.4%減の9億60百万円、純利益が55.9%減の5億円としている。売上高は下期計画を達成する見込みだが、販売活動費の投下や遊休資産の整理を進める。
配当予想は据え置いて前期と同額の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)としている。予想配当性向は80.0%となる。
■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施
株主優待制度は毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対して1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対して3000円相当、1000株以上所有株主に対して5000円相当を贈呈する。
■株価は減益予想の織り込み完了感
株価は減額修正を嫌気する形でモミ合い下放れの形となったが、その後は2100円近辺で下げ渋り、18年3月期減益予想の織り込み完了感を強めている。
12月5日の終値2123円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS22円49銭で算出)は94倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1591円39銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約482億円である。
週足チャートで見ると2100円近辺が下値支持線の形だ。減益予想の織り込み完了して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)