トーソーは戻り高値圏、18年3月期予想に上振れ余地、低PBRも見直し

 トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。室内装飾関連事業を主力に介護用品事業も展開している。18年3月期営業大幅減益予想だが、第2四半期累計が営業増益だったことを考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏だ。0.5倍近辺の低PBRも見直し材料として上値を試す展開が期待される。

■カーテンレール・インテリアブラインドの大手

 カーテンレールやインテリアブラインドの大手で、国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。

 室内装飾関連事業(カーテンレール類、ブラインド類、間仕切類)を主力として、介護用品事業(ステッキなど)も展開している。17年3月期の事業別売上高構成比は室内装飾関連事業が98.5%(カーテンレール類が約47%、ブラインド類が約42%、間仕切類が約2%、その他が約8%)で、介護関連用品などのその他事業が1.5%だった。収益面では、新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期(1~3月)の構成比が高い特性がある。

 中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。

■18年3月期減益予想だが上振れ余地

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月15日公表)は売上高が前期(17年3月期)比2.3%増の230億円、営業利益が29.5%減の7億10百万円、経常利益が30.0%減の7億円、純利益が38.8%減の4億30百万円としている。配当予想は前期から特別配当2円を落として年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 高付加価値型新製品の提案やプロモーション活動を積極的に推進し、原価低減活動も推進するが、新設住宅着工戸数の減少を見込み、大幅増益だった前期の反動などで減益予想としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比0.8%減の107億48百万円だが、営業利益が3.7%増の3億09百万円だった。販管費抑制効果が寄与した。売上総利益率は40.9%で0.1ポイント低下、販管費比率は38.0%で0.2ポイント低下した。経常利益は10.0%増の3億13百万円だった。純利益は前期計上した厚生年金基金解散損失引当金戻入額66百万円が剥落して14.7%減の1億89百万円だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が46.7%、営業利益が43.5%、経常利益が44.7%、純利益が44.0%である。第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り高値圏、低PBRも見直して上値試す

 株価は戻り高値圏で堅調だ。11月24日には588円まで上伸して7月の年初来高値600円に接近している。

 12月5日の終値582円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS41円07銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1109円29銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約64億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。0.5倍近辺の低PBRも見直し材料として上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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