相場には、事実は1つ見方は2つ=犬丸正寛の相場格言

■相場には、事実は1つ見方は2つ

 相場でなくても、社会生活にも通用することです。目の前で起きている出来事、事実は誰の目にも同じはずです。野球でジャイアンツが勝利すれば「勝ったという事実」は動かしようがありません。しかし、アンチ・ジャイアンツ・ファンは事実を認めたくないのです。「今日のジャイアンツの勝ち方はよくない。連敗の始まり」といった違う見方となるのです。

 NHKラジオでも紹介していましたが、出来事を「悪く解釈する人」、「良い方に解釈する人」の2通りということです。もちろん、どちらに解釈するのも、その人の自由です。筆者の知人にも、一旦は、すべての出来事を悪く解釈しないと、落ち着かないという人がいます。まず悪く考えておけば、気持ちが楽というのです。

 さて、株の世界には、少し前までは「事実」と「真実」は違うという悩ましい問題がありました。粉飾決算等が多く、いわゆる、「有価証券等の虚偽記載」です。最近でも大手の多額の虚偽記載が発覚しました。しかし、それも証券取引等監視委員会の指導と監視によって、昔からみると随分と減っています。

 つまり、企業の発表した「重要事実」=「真実」と判断できるようになっています。発表されたことは事実として素直に受け取り、後は、投資家が「強気」に判断するか、「弱気」に判断するかの2つです。強気判断なら、新規買い、あるいは持株は持続です。反対に弱気判断なら空売り、あるいは持株の売却ということです。このように、今の株式市場は、「事実は1つ」が信用できるものとなっています。後は各個人の解釈による腕の見せ所ということです。

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る