【新規上場(IPO)銘柄】SGホールディングスは日立物流との協業による事業拡大を推進、投資信託への組み入れ期待高まる

株式市場 IPO 鐘

 SGホールディングス<9143>(東1)は、12月13日に東京証券取引所市場第一部に上場した。同社グループは、「デリバリー」「ロジスティクス」「不動産」および自動車整備事業などの「その他」の事業分野でビジネスを展開している。2014年にグループ各社の強みを結集し横断的営業戦略チーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」を発足。16年度から新たに始まった中期経営計画「First Stage 2018」では、経営ビジョンを「アジアを代表する総合物流企業グループへ」とし、「GOAL」を基軸としたグループ連携によるソリューション力の強化やグローバル物流ネットワークの拡張などを新たな成長エンジンとして、事業を推進している。

 今2018年3月期第2四半期は、株式会社日立物流との協業による事業拡大を推進。同社グループの中核事業であるデリバリー事業では、宅配便の品質維持・向上を図るため従業員の採用強化及び路線、集配の委託先の確保を進めるとともに、適正運賃の収受に取り組み、11月21日付で飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便等の運賃改定を実施することを発表。また、営業強化による事業拡大を推進するとともに、株式会社ヒューモニーから電報類似サービス事業を譲受け、特定信書便事業を強化。ロジスティクス事業では、総合物流ソリューションを提案する「GOAL」を中心に3PLや国内外一貫物流の取組みを一層強化。不動産事業では、所有する不動産を信託受益権化し継続的に売却。その他の事業では、同社グループが有する物流ネットワーク及びグループ経営資源の活用により、事業領域の拡充を進めている。

 今2018年3月期第2四半期業績実績は、売上高4814億8500万円(前年同期比5.0%増)、営業利益289億5000万円(同23.7%増)、経常利益293億7700万円(同28.0%増)、純利益166億5900万円(同33.2%増)に着地。

 今18年3月期業績予想は、売上高1兆円(前期比2.6%増)、営業利益580億円(同17.2%増)、経常利益600億円(同17.2%増)、純利益330億円(同16.0%増)を見込む。年間配当予想は、期末一括32円を予定している。

 株価は、上場初日の12月13日に公開価格1620円を280円(17.28%)上回る1900円で初値をつけ、同日終値は1906円。翌14日高値2200円と上昇、同日引けは2170円。東京都江東区のIHI工場跡地に同社と共同で大型物流施設を建設、2020年8月完成目指し、荷物を自動搬送する装置など最新の物流機器を導入して従業員の負担を軽減することや日立物流との協業による事業拡大に対する期待感が底流にあり、堅調な動きとなっている。今年最大のIPOだが、東証株価指数(TOPIX)連動型投資信託への組み入れ期待もあり、下値を切り上げ、上昇基調を強めるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■地域と共に築いた「鮪解体ショー」で世界一の舞台へ  銚子丸<3075>(東証スタンダード)は、同…
  2. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  3. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る